Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2013-01-01から1年間の記事一覧

テレビ八重の桜

NHKの大河ドラマを観ていたが、今週は山本覚馬が亡くなる場面があった。先週は新島襄が亡くなった。回りの人に先立たれていく八重、というドラマのストーリーなのだけれど、観ていて思ったのは、身内に囲まれて最後にお礼を言って死ぬるのは人間らしくて素敵…

ゼロ

ホリエモンが、まじめに書いたメッセージだ。とても素直で、とてもまっすぐで、普通のひとなのだと思う。もっとも、今時、適当でない人だということは、普通ではないことかもしれないが。いくつもの、まっすぐな言葉が書いてある。まとめて言うと、やりたい…

ワンピース the19th LOG/20th LOG

ずっと積ん読だったワンピースの総集編を読む。時間は経ってしまったけれど、このくらいまとめて読むのがちょうどいい感じ。読み継がれる冒険譚だから、新作をあわてておいかけなくても十分に楽しめる。勇気と元気がでてくる本だ。ONE PIECE 総集編 THE 20TH…

A MOST WANTED MAN

ジョン・ル・カレの本。最新作ではないが、まだ翻訳は出ていない。長くて苦戦したが読み終えた。スパイ小説の大家にしては、ちょっと変化球の一冊かな。A Most Wanted Man作者: John Le Carre出版社/メーカー: Sceptre発売日: 2009/06/25メディア: ペーパー…

ミノタウロスの皿

テレビで藤子・F・不二雄の特集を見て、早速買ってみた。そうだと思ったが、以前読んだことがあった。それはいいのだが、表題作を再読して、まず思ったのは、カズオ・イシグロの「わたしを離さないで」だった。内容はまったく違うのだが、読者としての思い込…

乳房

伊集院静の代表作ともいえる短編集だ。どの話も昭和の風景が描かれている。私が中学生や高校生の頃、浴びるように読み、そしてすっかり読まなくなった、私小説の系統だ。久しぶりにこうした日本の小説を読んだが、同時代に生きる作家ゆえに、その人生をニュ…

恋しくて

村上春樹の翻訳の新刊だ。ラブストーリーを集めたものだが、村上春樹が言うように、たしかにいろんな愛の形があるものだ。今回は、翻訳家としての村上春樹の文章を探ってみようと思って読んだ。翻訳調、という言い方があるが、これは翻訳調だ。そもそも、村…

いねむり先生

テレビ放映を先に観てから、この本を読んだ。色川さんは素敵な人だったんだなあ。トトロとか妖精とか、その手の存在感だったのだろう。みんなに好かれて。その不思議な存在感の人物とのことをあざとくならずに、空気や気配を絡め取って文章にしたためる力量…

映画のぼうの城

録画していてようやく観た。おもしろかった。この話の元になった史実は知らなかった。数の論理や金銭で、決着を付けるのは大組織と同じ。それに立ち向かえたのは、民衆の気持ちを知り、曲げられないところは曲げないリーダーだ。優秀で個性的な部下をまとめ…

紙のライオン

久しぶりに沢木耕太郎の本を読んだ。朝日新聞で、映画についてのコラムを読んでいるが本は読んでいなかった。ずっと以前、貪るように読んでいたのは「深夜特急」にはまったからだ。あの頃、私の回りの二十歳前後の若者は、はまっていたのだ、あの熱い風に。…

テレビ知られざる大英博物館(1)古代エジプト

録画していたのをようやく見た。大英博物館には2度行ったけれど、あの収蔵品は一日ではとうていすべてを見られるものではない。だというのに、公開しているのは1/10、つまり1割だというのだ。すごいなあ。まさに氷山の一角。それが質を保つ秘訣にもなってい…

映画終戦のエンペラー

新しい視点から描いた映画だなあと思った。戦闘や爆撃のシーンをなくし、廃墟となった東京を見せることで、感情的な反戦の主張にならず、311後の光景と重なって見えた。運命に翻弄されながらも、あの景色から立ち上がる、日本人の力はどこから生まれてきたの…

映画風立ちぬ

まずは圧倒的なビジュアルにぶっとばされた。風の描写は秀逸。地震も当事者として、その場にいたら感じるような描き方。俯瞰ではない。倒壊だけでもない。地面が鳴動し、火が迫ってくる感覚。すごいと思った。そして、「風は吹いているかい」という言葉は、…

旗を立てて生きる

ネットでは話題の尽きないイケダハヤトさんの本だ。ついつい悪い癖で、ネットでの評判を信じてしまっていて、本を読むつもりなどなかったのだけれど、別の方がこれまたネットで、案外面白かったというのを読んで(またネットほ信じちゃっている!)書店で手に取…

ぽてんしゃる。

糸井重里さんがあちこちに描いた文章の断片を、彼の会社の人が編集して、1年に一冊、収穫のように作る本がこれ。ほぼ日刊イトイ新聞で、既に読んだ言葉もあるのだけれど、言葉の持つ肯定的な力を教えてくれる。いくつも、いくつも、元気と勇気をくれる言葉…

映画SMOKE

ポール・オースター原作で、ウィリアム・ハートとハーヴェイ・カイテルが出演。これは見るしかない。村上春樹の本を読むと、物語を書いてみようかといつも思うし、作家とは素敵な仕事だなあと思う。ポール・オースターの小説を読んでも同じだ。物語の魅力に…

映画マグノリアの花たち

アメリカ南部ルイジアナ州の小さな町のお話。女性たちの会話を通して日常生活が描かれているのだが、とにかく台詞が多い。舞台劇がオリジナルと聞いて納得。最初は、どうでもいい内容の会話に閉口したのだが、言葉の応酬は見事。つらいことや怒りをユーモア…

映画ヘルプ

アメリカの黒人問題は、遠い話ではなくて、ついこの間のことなのだと改めて思った。民主主義や女性の解放などを語る口が、黒人(Colored)のことはまったく別なこととして切り捨てる。日本人には、理解しにくい部分だとおもったが、今、思い出した。大学時代の…

映画アルゴ

ようやくレンタル屋さんで借りて観た。歴史上のことなのだから、どうなるのかは想像つくはずなのに、ずっとはらはらしながら観ていた。国家と国家の対立、宗教の違い。価値観の異なる世界へ出向き、自国の(企業の)セースルマン、スポークスマンとして働くの…

土屋耕一のことばの遊び場。

コピーライターの大先輩の文章をまとめた本である。しかも糸井さんと和田誠さんが編んだ本が一冊ずつ、二分册の本である。これは面白いに決まっている。私にとって土屋さんは、伊勢丹やサンヨーコートなどの、からりとしていて、主張があって、どこか落語の…

小説の読み方、書き方、訳し方

柴田さんと源ちゃんの対談本である。やはり刺激的だった。翻訳について柴田さんは、「語学の勉強って、語学のことを考えなくていいためにする」うーん。その通りだよなあ。英語の解釈に時間を掛けているようではダメなのである。こんなことが言える域に行け…

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

初版が50万部で、翌日にさらに10万部増刷というすごい人気だ。相変わらずの村上春樹の物語を進めるリズムを体感しながら、これは変わらないなあと思った。大学の頃から、彼の作品をほとんど発表と同時に読んできた。それは幸せなことだと思う。世界観はペシ…

この夢の出来ばえ

片岡義男の新刊が出ていないかとAmazonをチェックしていたら、昨年発売されたこの本を見つけた。昨年のはじめはいろいろと忙しかったから見落としていたのだろう。東京の風景を切り取った写真集なのだが、あとがきの代わりの短い対談があって、その中で自分…

翻訳と批評

翻訳は難しい。誤訳を指摘されたら、恥ずかしい。英語の理解力の低さが露呈したから、あるいは日本語が下手だったから、はたまたその両方だから。そこは謙虚に受け止め、反省するしかないよね。いつ? 今でしょ。でも自分の能力の低さを認めたくない人も多い…

フリーエージェント社会の到来

ずいぶん前に買った本だけれど、積ん読状態になっていて、自分がフリーランスになってから読み始めることになった。奥付を見ると、原書が2001年に出て、翻訳は2002年に発行されている。アメリカは、やはり進んでいるなあ、と改めて思う。日本はまだ、フリー…

ほぼ日刊イトイ新聞

一度書籍については書いたけれど、webの方です。ほぼ毎日読んでいる。だってほとんどが読み物だしね。ここで紹介された人や本や音楽は、かなり自分の深いところに入り込んでいると思う。糸井さんの対談は特におもしろい。思考の過程などを言葉にできる人なの…

世界基準で夢をかなえる私の勉強法

すごい学者がいるものだなあと思う。レベルは違うけれど、自分も大学院の時は、限られた時間の仲で必死に、いろんな工夫をしながら学んでいたことを思い出した。北川さんは、自分と対話する時間をいつも作りながら、さまざまな困難に現実的で前向きな解を見…

アカデミー賞観てたら

またまた、本の話ではないけれど、アカデミー賞の授賞式を観ていて、レ・ミゼラブルが作品章をとれなかったなあ、と思ったもので。授賞式のステージ上で見せた、主要出演者によるパフォーマンスは圧巻だった。キャストが、こんなに歌える映画はないだろう。…

映画レ・ミゼラブル

映画だけど、文学ということで、書いておこう。ミュージカルを映画にする試みは、すでにいくつもある。オペラ座の怪人の映画化は良かったな。シカゴは、映画もブロードウェイもそれぞれ良いところがあって、どちらも、とても良かった。ママミーアは、舞台の…

井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室

創作の文章は、人それぞれ、何でもありですよね、と言うことができる性質のものだと思う。けれど、アメリカの大学ではクリエイティブライティングという講座があるし、日本でも、カルチャースクールで教えられている。井上ひさしは、本当にすごいと思う。丁…