Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

RUN AWAY

サイモン・グリーンは、セントラルパークの中にあるストロベリーフィールズで歌っている、ストリートミュージシャンをじっと見ていた。ギターも歌もあまりに下手で、ギターケースにコインを入れる人は多くない。汚れた服を着ている、そのやせっぽちの少女は…

Xと云う患者

芥川龍之介を愛する、イギリス人作家が、芥川本人の身に起こったことと、作品の中の主人公との話をひとつの巻物のように繋げて書き上げた、不思議な話だ。芥川の作品が解体され、解題され、この小説の中で展開される。芥川龍之介本人の身に起こったことなの…

映画 茅ヶ崎物語 - My Little Hometown

茅ヶ崎はなぜ、音楽家や芸術家を多く輩出しているのか? そんな素朴な地元愛から生まれた疑問から、宮地さんというレコード会社社員であり、桑田佳祐の幼なじみが茅ヶ崎の歴史をざっと、まとめた映画だ。こう書くと適当な映画の感じがするが、実際、構成はか…

NHKスペシャル 彼女は安楽死を選んだ

一人の女性がスイスに渡り、安楽死という方法で最期を迎えた。おだやかに、そっと。 彼女は原因不明の全身の筋肉に力が入らなくなる難病になり、少しずつ自分の体が自分でコントロール出来なくなっていく。ある日、入院していた病院の医師に勧められ、同じ病…

井上陽水英訳詩集

井上陽水の歌は、声の良さと単語の連なりの耳障りの良さに翻弄されて、雰囲気を楽しむものだと長い間思ってきた。本人も、かなり適当です、などと言っていたものだから、その言葉を真に受けてしまっていた。うかつだった。 キャンベルさんが訳されたと聞いて…