Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

あなたの会社、その働き方は幸せですか?

上野千鶴子さんと出口治明さんの対談。京大の同期なのだというが、全然違う個性のようだが、リベラルで合理主義の教育者というのは大きな共通点だ。いくつも名言があったのだが、なかでも多様性とは個性を尊重することで、それは合理性を重んじることだ、と…

翻訳はいかにすべきか

すすめる人があって、この本を読む。柳瀬尚紀といえば、ユリシーズなどの翻訳を手がける翻訳の大家である。ここでは、持論を展開にするにあたって、世に出ている翻訳書の訳文を取り上げ、自分あればこう訳す、というか、このようにしか解釈できないはずだと…

神さまの貨物

むかしむかし森に暮らす夫婦がいた。夫は侵略者によって毎日土木工事をさせられていた。妻は食べ物になりそうなものを探して歩くがたいしたものは見つけられない。それでも毎日毎日森の中に出かけていった。貧しいけれど子供がほしいと毎日神さまに願ってい…

JR上野駅公園口

全米図書賞受賞ということで、ミーハーにも、初めてこの作家の本を読んでみることにした。平成天皇と同じ年に生まれた主人公は東京オリンピックの前年に鹿島から出稼ぎに東京にやってくる。結婚し、一男一女の子供にも恵まれたが、妻と一緒に暮らした日は指…

プロデュースの基本

いろんな業界にプロデューサーを名乗る人がいるが、音楽プロデューサーは音楽を愛している人、映画プロデューサーは映画を愛している人、というように、作品作りが本当に好きな人でないとプロデューサーにはなれないのだと思う。そして作家視点とファンの視…

鬼の子

一学期の終業式の日、中学三年の福田みのるくんは、上半身裸でリュックをしょった少年と出会う。野球部を辞めたばかりのみのるは自分のユニフォームを少年にあげる。少年はなぜか、家までついてきて、よく見ると頭に一本角が生えている。あれっと思いながら…

父を想う

「夢は追いかけた分、近づいてくる」そう言ったのは、ブラジルの国民的ピアニスト、ジョアン・カルロス・マルティンス氏だ。13歳でプロデビュー、何度かの災難に見舞われながらも、ビアニストとして活躍していたが、両手の指が思うように動かなくなり、2019…