Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

映画 用心棒

もう何度も観ているのだが、椿三十郎と混同していたところもあったので、今回はっきりとわかって良かった。本当によくできている映画だ。思ったよりも喧嘩などのシーンは少なく、テンポ良く話が進む。役者がまた凄い。黒澤映画でおなじみの顔ばかりだが、人…

人間

又吉直樹の三作目。二作目は読んでいないのだが。 三十八歳の主人公はライターなどをしながら本を出版し作家と認められるようになった。そこへ昔の友人から一通のメールがとどく。若い頃に数人で一緒に一軒家で暮らしていた時代があり、その頃の同居人の一人…

映画 羅生門

この映画を観たのは何回目だろうか。年末にWOWOWで三船敏郎特集をやっていたので、録画して観てみた。映像がきれいだ。三船が生き生きとしている。京マチ子が美しい。志村喬、千秋稔、安心して観ていられる。そして、ストーリーの謎が残る。古くならない映画…

思い出 人間は納得したい動物である

父の事を思い出した。亡くなってから20年以上過ぎている。父は石油の掘削の技師だった。若い頃、仕事中に石油の井戸を掘るドリルの刃の破片が目に入り、片目を失明した。とはいえ、見た目は全くわからず、片方の目だけで運転もしたし、仕事も日常生活も普通…

丁庄の夢

中国の寒村の物語。住民のほとんどがまもなく死にゆく運命にある。貧しい暮らしから抜け出そうと売血を勧められ、エイズに罹ってしまったのだ。最初は3ヶ月に一度だったが、現金ほしさに1ヶ月に一度になり、2週間に一度になり、もっと短期間で売血するものも…

論考 君はいつからきれいになったんだろう

去年いやその前の年かな、ラジオでやたらと「君は綺麗だ」と歌うのを聞いて、へえーと思ったことを思い出した。好きな女の子に対して僕は「運命のヒトじゃない」と言い、僕にとって君は何かと男の子は自問する。そして、確かなことはひとつ「君は綺麗だ」と…

閑話休題 2020を振り返って

今年初めてアメリカ人の友人と話す。話題は、2020年を振り返る、ということになった。コロナ禍については、「あのときこうしていれば」というHindsiteはいくつもあった。ダイヤモンドプリンセス号の時にうまく対応できていれば・・・。春節の前に警戒していれば…

テレビ テンペスト

昨年末に再放送されたドラマ「テンペスト」を10回分まとめて観た。幕末から明治にかけての琉球王朝の物語を描いたこのドラマは、2011年に放送されたものだ。首里城でロケが行われており、今は観ることのできない美しい王宮内部が映し出されている。 琉球王朝…

ワイルドサイドをほっつき歩け

イギリスに住む著者の身の回りにいるおっさんたちの観察日記。なにかと悪者にされがちなおっさんたちが、ワイルドサイドでしぶとく生きている様を優しい目で眺め、愛おしい存在として描いている。そして彼らのリアルライフを描いていくと、ブレクジットの話…