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テレビ テンペスト

昨年末に再放送されたドラマ「テンペスト」を10回分まとめて観た。幕末から明治にかけての琉球王朝の物語を描いたこのドラマは、2011年に放送されたものだ。首里城でロケが行われており、今は観ることのできない美しい王宮内部が映し出されている。

琉球王朝は中国と薩摩に支配されながらも、なんとか王国を維持してきたが、黒船が現れ風雲急を告げる。平和で美しい国に見えていたが、内部では権力争いがあり、神託による統治も私欲が入り込み神の言葉にも虚言が混じる。現王族も先王の家系を滅ぼしての即位だったことから、さらにスケール大きな物語になっている。

主演の仲間由紀恵が沖縄の衣装を着た時の艶やかさは素晴らしい。他にも上原多香子など沖縄出身の俳優が配置されていて、リアリティが増した。そしてエメラルドグリーンの海やサトウキビ畑など沖縄の風景が美しい。

第一回、第二回は、どろどろとした王宮内部の人間模様が描かれていてうんざりしたが、その状況設定が終わった後は面白かった。龍の子供であることを示したり、神力の出現、幽霊の登場シーンなどはCG表現で頑張っていたが、原作の小説なら、すんなりと読み進められるのだろうなと感じた。それにしても琉球のことは何も知らないことに気づかされる。アイヌのこともそうだ。日本にとって大切な、こんなにも身近な歴史を学び直そうと思う。ちなみに、琉球の人は人類史的にはアイヌに最も近いという。

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