Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ひみつのしつもん

翻訳家、岸本佐知子さんのエッセイ。この人の、ちょっと不思議な角度に突き進むものの見方とそれをあますところなく文章にする力には本当に感服する。こんな人がいるんだな、と感心する。題材はもしかしたら、私も同じような気づきをする事柄かもしれないが…

ちいさなのんちゃん

これは幼い娘を激愛する母親の日記のような漫画である。わたしにはわからないことも多いが、子どもを持つ親なら、あるあるネタのオンパレードに違いない。漫画家の母親は可愛くてしかたのないわが娘を見ながら、自分の幼い頃の記憶を重ね、漫画家らしい妄想…

もしもし下北沢

主人公のよしえは、父を亡くしたばかりだ。父はどこかの女の人から無理心中の相手にさせられ、突然死んでしまった。母と父と三人家族だったが、突然の出来事に自分も母も茫然としたままどうしていいのかわからない日々が続いた。よしえは、自分を立て直すた…

片岡義男COMIC SHOW

片岡義男の小説をテーマに7人の漫画家がコミックを描くという面白い試みの本だ。80年代にとても流行した作家だが、当時は、お手軽小説だと受け取られていた。でも、片岡義男をずっと読んでいくと、ドライで、クールで、歌謡曲で、ハワイな、独自の世界観が見…

映画 ジョーカー

ジョーカーとは、ジョークを言う人のことなのだ。 そのことを改めて認識した。 ヒース・レジャーのジョーカーがあまりに鮮烈だったために、あのような極悪非道の、アンチヒーローのことをジョーカーと呼ぶのだとどこかでずっと思っていた。トランプゲームで…

11月に去りし者

おもしろい小説だった。舞台は1963年11月22日から始まる。そう、ケネディが暗殺されたことから物語は動き出す。マフィアの幹部ギドリーは、ケネディ暗殺のニュースを聞いて、ぴんと来るものがあった。その一週間前、ダラスの町で自動車を一台手配する仕事を…