Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

泥棒は詩を口ずさむ

泥棒バーニーの活躍シリーズの一冊。ニューヨークで古本屋を営むバーニーのもう一つの仕事は泥棒。今回も稀覯本をある人物の家から盗みだしてくれれば高値で買うといわれて、見事に本を手にしたが、その本を現金と交換するためにでかけた先で一服盛られ、気…

映画 Too Young To Die

劇場で観た久しぶりの邦画。宮藤官九郎作品という安定した期待値はあったが、それほど多くを望まずにでかけたので結構楽しめた。主人公は神木隆之介演じる17歳の高校生。交通事故で死に、地獄に行くがそこで修行を積んで再び人間に輪廻転生するチャンスをう…

泳ぐのに、安全でも適切でもありません。

江國さんの、タイトルが気になっていたもう一冊を読んだ。こちらも短編集。主人公たちは皆女性で、愛あるいは愛の行為に貪欲で、健全な欲望で楽しむ。そしてそれは刹那ゆえに、完璧な時間になり、その完璧さゆえに、それ以外の人生の時間を見つめなおすきっ…

号泣する準備はできていた

ずっとタイトルが気になっていた小説だ。最近、この作家の対談を読んで、英語の直訳をタイトルにしたものだと知る。いいアイデアだ。内容は女性が主人公の短編集。彼や夫との関係性が変わっていく様子を描いている。主人公は関係が変わったとき、変わったこ…

アルジャーノンに花束を

この本は以前読んだ。昨年、訳者の小尾芙佐さんの講演を聞いた時のメモを書く。 小尾さんは昭和7年生まれ。津田塾大学を卒業し早川書房へ押しかけ入社。SF担当。結婚後ご主人がハーバードへ留学する際に一緒に渡米、早川の特派員としてアシモフに取材。 中編…

ジャングル・ブック

前からこの本の存在は知っていたが、今回はじめて読んだ。とてもおもしろかった。狼に育てられた人間の男の子の話で、ジャングルに棲む動物たちとの交流が描かれている。動物と人間を対立軸で描くのではなく、動物たちを必要以上に擬人化するのでもなく、「…

勝率2割の仕事論

クリエイティブエージェンシー、タグボートの岡さんの本だ。最近のテレビCMはつまらなくなった。メーカー発信の言葉ばかりで、役者にわざとらしい演技をさせ、あきらかにクライアントが承認しやすいような内容になっているが、テレビを見ている人の気持には…