Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

泳ぐのに、安全でも適切でもありません。

江國さんの、タイトルが気になっていたもう一冊を読んだ。こちらも短編集。主人公たちは皆女性で、愛あるいは愛の行為に貪欲で、健全な欲望で楽しむ。そしてそれは刹那ゆえに、完璧な時間になり、その完璧さゆえに、それ以外の人生の時間を見つめなおすきっかけになってしまう。全体的に、醒めた目で自分自身を観察できる人たちばかりが出てくるなという印象があるが、それは言葉の使い方のせいだろう。それから、読点の使い方が好きだ。不思議な短編集だが、またこの作家のほんをいつか手に取るかも知れない。

泳ぐのに、安全でも適切でもありません (集英社文庫)

泳ぐのに、安全でも適切でもありません (集英社文庫)