Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

マンガ聖書物語

西洋文化を知るために時々読み返す本だ。いつもは大きな流れを理解するだけで、細かなことは覚えきれないのだが、今回は気になるところがあった。それは、イエスが無実の罪で糾弾され磔刑で殺されてから、その弟子たちが各地で伝道をする際、民衆たちは「罪…

この英語、訳せない!

翻訳家の越前さんの本。日本人なら必ず間違う英語とかの本も書いていらっしゃる方で、ダン・ブラウンのシリーズを翻訳されている方というほうがわかる人が多いかもしれない。英語と日本語は構造が違うので、文章の単位で考えると、まったく等価の意味合いを持…

西太后秘録 上下

西太后については、側室から清王朝の女帝にまで上り詰めた人ということ以外はほとんど知らなかった。が、中国の近代化に大きく舵を取ったキーパーソンだったことがよくわかった。頭が良く、政治的な駆け引きにも長じていて、長く政権を実質的に支配していた…

ひみつのしつもん

翻訳家、岸本佐知子さんのエッセイ。この人の、ちょっと不思議な角度に突き進むものの見方とそれをあますところなく文章にする力には本当に感服する。こんな人がいるんだな、と感心する。題材はもしかしたら、私も同じような気づきをする事柄かもしれないが…

ちいさなのんちゃん

これは幼い娘を激愛する母親の日記のような漫画である。わたしにはわからないことも多いが、子どもを持つ親なら、あるあるネタのオンパレードに違いない。漫画家の母親は可愛くてしかたのないわが娘を見ながら、自分の幼い頃の記憶を重ね、漫画家らしい妄想…

もしもし下北沢

主人公のよしえは、父を亡くしたばかりだ。父はどこかの女の人から無理心中の相手にさせられ、突然死んでしまった。母と父と三人家族だったが、突然の出来事に自分も母も茫然としたままどうしていいのかわからない日々が続いた。よしえは、自分を立て直すた…

片岡義男COMIC SHOW

片岡義男の小説をテーマに7人の漫画家がコミックを描くという面白い試みの本だ。80年代にとても流行した作家だが、当時は、お手軽小説だと受け取られていた。でも、片岡義男をずっと読んでいくと、ドライで、クールで、歌謡曲で、ハワイな、独自の世界観が見…

映画 ジョーカー

ジョーカーとは、ジョークを言う人のことなのだ。 そのことを改めて認識した。 ヒース・レジャーのジョーカーがあまりに鮮烈だったために、あのような極悪非道の、アンチヒーローのことをジョーカーと呼ぶのだとどこかでずっと思っていた。トランプゲームで…

11月に去りし者

おもしろい小説だった。舞台は1963年11月22日から始まる。そう、ケネディが暗殺されたことから物語は動き出す。マフィアの幹部ギドリーは、ケネディ暗殺のニュースを聞いて、ぴんと来るものがあった。その一週間前、ダラスの町で自動車を一台手配する仕事を…

血の収穫

久しぶりにハードボイルド小説を読んだ。しかも名作中の名作の一つで、学生の頃読んだ本の新訳だ。発売と同時に買ってずっと寝かせていた本だったが、なかなか読む時間を作れなかったのだけど、風邪を引いて寝込んだために、この本を読む時間ができた。 ダシ…

閑話休題 テニススクールで

今日は、本の話でも映画の話でもない。テニススクールに通っている。少し背伸びをして、上のクラスに入れてもらったので、コーチの言う通りにはできない。でも、言われたことを実行しようとしている。それが人から学ぶということだから。でも、なかなか上手…

映画 ナミヤ雑貨店の奇跡

ずっと前に録画してHDDに入っていたのをようやく観れた。お店の常連の子供たちから寄せられた相談に、何十年ものあいだ答えていたご主人のもとに人生の岐路に立った大人たちからも、相談が寄せられるようになる。こうした相談に対する回答は、どちらともとれ…

映画 ロケットマン

ずっと愛が欲しかったんだな、と映画を観終わってまず感じた。愛って何かわからなかったから、探しもとめていたんだなって。ただ、ハグしてほしかっただけなのに。ただ自分のことを受け止めてもらいたかっただけなのに。エルトン・ジョンの歌は、学生時代、…

ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた。

この雑誌とは「マンハント」のことだ。1958年から1963年まで、アメリカの雑誌「manhunt」の日本語版として、ミステリーなどを紹介したA5サイズの雑誌だ。新刊で売られていた当時のことは、もちろん知らないのだが、ミステリー雑誌の草分けだという、この雑誌…

映画 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

タランティーノの最新作だ。舞台は1969年のハリウッド。知るはずはないのに、どこか懐かしい風景。自分の中の過去の断片的な記憶が編集し直されて、この時代の目撃者になったような気になる。差別的な言い方も出てくるが、それは、この時代に実際にあったも…

読みたいことを、書けばいい。

タイトルがずっと気になっていて、でも、平積みになっていたから、案外お手軽本なのかなあと遠巻きにしていたけれど、エイヤと買ってみたらなかなか良かった。著者は元電通のコピーライターである。というだけで、「ああ、そういう人ね」とくくられかねない…

なかなか暮れない夏の夕暮れ

主人公は、ほんの少しでも時間があると本を読む。待ち合わせのバーのカウンターで。スカイプを立ち上げ、相手が画面に出てくるまでのわずかな時間に。読んでいるのは翻訳ミステリーだ。真冬の北欧で殺人事件が起こった直後、物語は中断される。改行されると…

音楽アルバム うたいろ

いきものがかりのボーカル、吉岡聖恵のソロアルバム「うたいろ」を聴く。さまざまな歌手の歌をカバーしていて、このボーカルならではの、潔い、まっすぐな歌い方が心地よい。中島みゆきの「糸」という歌もカバーしている。♪縦の糸は〜、横の糸は〜♪ というあ…

映画 あん

以前、テレビで放映された直後にHDDに録って、見始めたのだが、テレビが壊れて買い換えたために続きを観れていなかった。最近、再放送があり、ようやく観ることができた。淡々と物語が進んでいく。永瀬はいい。悲しみとやりきれなさと反抗心と大きな優しさを…

窓の外を見てください

仕事や読書会に関連する読書ばかりで、自分のために買った本がなかなか読めない状態が続いている。そうした間隙を突いて、ようやく、この本が読めた。相変わらずの片岡義男の小説だ、という他はないのだが、大学生の頃から読み続けてきているので、自分の中…

アリババの経営哲学

ジャック・マーという人は面白い。インターネットのことがよくわからず、プログラミングもまったくわからないときに、インターネットの会社を起業すると決めて、実践し、アリババという会社を世界有数のB2B取引の会社にし、そして今度は、その会社を辞めて、…

岩田さん

任天堂の社長で、私にとっては、ほぼ日刊イトイ新聞を通じていつも話を聞いていた、岩田聡さん。2015年に早すぎる生涯を閉じた。その岩田さんの言葉を、糸井さんや宮本さんとの対談などから集めたのが、この本だ。ほぼ日に掲載されたものも多いから、以前読…

折りたたみ北京

タイトルがとても気になる。どんな話なのだろうかと。翻訳の師匠が面白かった本だと挙げていたので読んでみた。副題は現代中国SFアンソロジーだ。編者はケン・リュウ。「紙の動物園」の著者。不見識なことに、中国SFと言われてもピンとこなかった。書店では…

映画 トイ・ストーリー4

アニメなのに、おもちゃの人形たちが主人公なのに、彼らの物語に感情移入してしまうのはどうしてだろう。もちろん、ディズニー映画で、PIXER製作で、トム・ハンクスなどが声優をしているのだから、当然という考え方もできる。けれど、人間の物語が映画になっ…

燃えつきた地図

ある日、姿を消した夫を探してほしいという妻からの依頼を受け、興信所の所員である「私」は妻に話しを聞きに出向く。何を聞いても、妻は、手がかりになるようなことはたいして話してくれない。弟にまかせてある、といいながら、その弟にはこちらから会えな…

イタリアン・シューズ

フレドリック・ヴェリーンはかって医師だったが、本人が言うところの大惨事(カタストロフ)のせいで仕事を辞めて、子どものころ家族と暮らしていたスウェーデンの小さな島で一人暮らしをしている。犬と猫がいるだけで、その島には他に誰も住んでいない。郵便…

講演会 宇宙についてのあれこれ

今回は本でも映画の話でもない。知り合いの会社で、宇宙業界の人が話しに来てくれるというので、参加させてもらった。そのときのメモだ。 講師は小林さんという女性で、ベストセラーマンガ「宇宙兄弟」の監修もされた方(巻末にお名前が載っていて、マンガの…

RUN AWAY

サイモン・グリーンは、セントラルパークの中にあるストロベリーフィールズで歌っている、ストリートミュージシャンをじっと見ていた。ギターも歌もあまりに下手で、ギターケースにコインを入れる人は多くない。汚れた服を着ている、そのやせっぽちの少女は…

Xと云う患者

芥川龍之介を愛する、イギリス人作家が、芥川本人の身に起こったことと、作品の中の主人公との話をひとつの巻物のように繋げて書き上げた、不思議な話だ。芥川の作品が解体され、解題され、この小説の中で展開される。芥川龍之介本人の身に起こったことなの…

映画 茅ヶ崎物語 - My Little Hometown

茅ヶ崎はなぜ、音楽家や芸術家を多く輩出しているのか? そんな素朴な地元愛から生まれた疑問から、宮地さんというレコード会社社員であり、桑田佳祐の幼なじみが茅ヶ崎の歴史をざっと、まとめた映画だ。こう書くと適当な映画の感じがするが、実際、構成はか…