Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

ザリガニの鳴くところ

タイトルに惹かれたのと、わたしのまわりでとても評判がよかったので読んでみた。約500ページ。読みごたえのある本でとても面白かった。 ノースカロライナ州の湿地で村の青年の死体が発見される。人々は「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。カイアは…

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

以前このブログでも書いた本なのだが、再度読み返してみた。一度読んだときはとても真似できそうにないコトばかりだと思ったのだが、今回は心に残る言葉が多かった。「すべての仕事は必ずやり直しになる」「その問題とこの問題は独立している」「アイデアを…

ドラえもん0巻

朝日新聞の三谷幸喜のコラムを読んで、ドラえもんの単行本を買う。これは、「よいこ」「幼稚園」「小学一年生」「小学二年生」「小学三年生」「小学四年生」それぞれの、ドラえもんの第1回がまとめて掲載されている。ドラえもんがのび太の家にやって来る回…

ナルト

ようやく全72巻を読み終える。スケールの大きい物語だった。結論は垣間見えていたから、最終回はそれほど驚きはない。途中でなんども、よくぞここまで引っ張ったな、と感じる回があった。それでも、最後まで読み通し、なんだか達成感を感じる。久しぶりにこ…

ぼくは翻訳についてこう考えています

柴田元幸氏が翻訳について書いたこと、語ったことを100点抜粋した本。アフォリズム集のようでもある。なるほどとうなずき、そうすればいいのかとメモし、深いなあとかみしめる。この本もまた、時々読み返す必要のある本だ。 論考の中に、間違っている英語を…

なんで僕に聞くんだろう。

写真家の幡野広志さんのもとに届く人生相談に、幡野さんが答えていく本だ。言葉の切れ味がすばらしい。私も文章を書くときは、できるだけ誤解が少なくなるような言葉を選んで書いているつもりだが、この本の文章の切れ味は恐ろしいほどだ。私の文章はナイフ…

息子たちよ

日常生活の合間にさまざまなことを思い浮かべながら、そういえばあの本にはこんなことがあったと話してくれる。あるいはこの本で描かれている風景は、自分にとってはこういう意味を持つ、と教えてくれる。書評家の記憶力というのはすごいものだ。ご本人とお…

カササギ殺人事件

昨年、さまざまな賞を獲ったミステリー小説だ。あまりに人気だったため、古書に出るのもすぐだろうと思って買わずにいた。その代わり、早々と図書館に貸し出しリクエストを出していたのだが、根強い人気が続いているらしく、上巻が届いたのがつい最近だった…

ただの眠りを

1984年、メキシコ。72歳になったフィリップ・マーロウは家政婦と拾ってきた野良犬と一緒に住んでいた。探偵の看板を外したわけではないが、引退に等しい暮らしだった。そんなマーロウに、生命保険会社から仕事の依頼が来る。事故死した男の保険金を払い込む前…

テレビ 100分deナショナリズム

この番組は正月の3日に放送されたものを録画しておいて、ようやく観た。100分de名著の特別編だ。 ナショナリズムと聞いて最初に連想するのは、ナチ、戦争、右翼など。自分の国が一番だとまっすぐに信じられるのは凄いなあと思う。どうして自分の国というまと…

献灯使

ドイツ在住でドイツ語で小説を書いている多和田葉子さんの小説。この本は日本語で書かれ、英訳版が広く読まれているという。義郎という老人が、無名という名の小学生と二人で仮設住宅で暮らす。この二人はおじいさんと孫という関係ではない。曾おじいさんと…

むかしむかしあるところに、死体がありました。

日本人なら誰もがよく知る昔話の登場人物や枠組みを使って、視点をずらし、妄想を膨らませ、突っ込みを入れて、ミステリー仕立てにした短編集。一寸法師、花咲かじいさん、鶴の恩返し、浦島太郎、桃太郎のお話の中になぜか死体が発見される。そこからいつも…

映画 スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け

一年ぶりのスター・ウォーズ。楽しみな反面、これで最後かとすこし切ない想いで席に着いた。IMAX 3Dのメガネをかける。最初は違和感があったが、いつの間にか気にならなくなっていた。映画はとても楽しめた。あれだけのシリーズの中でいろいろとあった伏線を…

映画 十戒

聖書の勉強会に出たせいで、聖書関連の勉強が続いている。録画してあった十戒を観た。私が生まれる前の1957年の作品で、小学生くらいの時にテレビで観た覚えがある。淀川さんの解説だったような。でも覚えていたのは、海が割れるシーンと石版を持って立って…

マンガ聖書物語 旧約編

物語としてはこちらの大河ドラマぶれがなかなかすごい。それでも、全編を通して語っていることは、愚直にわたし=神を信じなさい、ということ。他の神は邪教で、またしても、邪教の信者は神の不思議な力によって、殺すことをいとわない。こざかしい考えで、浅…

マンガ聖書物語 新約編

西洋文化を知るために時々読み返す本だ。いつもは大きな流れを理解するだけで、細かなことは覚えきれないのだが、今回は気になるところがあった。それは、イエスが無実の罪で糾弾され磔刑で殺されてから、その弟子たちが各地で伝道をする際、民衆たちは「罪…

この英語、訳せない!

翻訳家の越前さんの本。日本人なら必ず間違う英語とかの本も書いていらっしゃる方で、ダン・ブラウンのシリーズを翻訳されている方というほうがわかる人が多いかもしれない。英語と日本語は構造が違うので、文章の単位で考えると、まったく等価の意味合いを持…

西太后秘録 上下

西太后については、側室から清王朝の女帝にまで上り詰めた人ということ以外はほとんど知らなかった。が、中国の近代化に大きく舵を取ったキーパーソンだったことがよくわかった。頭が良く、政治的な駆け引きにも長じていて、長く政権を実質的に支配していた…

ひみつのしつもん

翻訳家、岸本佐知子さんのエッセイ。この人の、ちょっと不思議な角度に突き進むものの見方とそれをあますところなく文章にする力には本当に感服する。こんな人がいるんだな、と感心する。題材はもしかしたら、私も同じような気づきをする事柄かもしれないが…

ちいさなのんちゃん

これは幼い娘を激愛する母親の日記のような漫画である。わたしにはわからないことも多いが、子どもを持つ親なら、あるあるネタのオンパレードに違いない。漫画家の母親は可愛くてしかたのないわが娘を見ながら、自分の幼い頃の記憶を重ね、漫画家らしい妄想…

もしもし下北沢

主人公のよしえは、父を亡くしたばかりだ。父はどこかの女の人から無理心中の相手にさせられ、突然死んでしまった。母と父と三人家族だったが、突然の出来事に自分も母も茫然としたままどうしていいのかわからない日々が続いた。よしえは、自分を立て直すた…

片岡義男COMIC SHOW

片岡義男の小説をテーマに7人の漫画家がコミックを描くという面白い試みの本だ。80年代にとても流行した作家だが、当時は、お手軽小説だと受け取られていた。でも、片岡義男をずっと読んでいくと、ドライで、クールで、歌謡曲で、ハワイな、独自の世界観が見…

映画 ジョーカー

ジョーカーとは、ジョークを言う人のことなのだ。 そのことを改めて認識した。 ヒース・レジャーのジョーカーがあまりに鮮烈だったために、あのような極悪非道の、アンチヒーローのことをジョーカーと呼ぶのだとどこかでずっと思っていた。トランプゲームで…

11月に去りし者

おもしろい小説だった。舞台は1963年11月22日から始まる。そう、ケネディが暗殺されたことから物語は動き出す。マフィアの幹部ギドリーは、ケネディ暗殺のニュースを聞いて、ぴんと来るものがあった。その一週間前、ダラスの町で自動車を一台手配する仕事を…

血の収穫

久しぶりにハードボイルド小説を読んだ。しかも名作中の名作の一つで、学生の頃読んだ本の新訳だ。発売と同時に買ってずっと寝かせていた本だったが、なかなか読む時間を作れなかったのだけど、風邪を引いて寝込んだために、この本を読む時間ができた。 ダシ…

閑話休題 テニススクールで

今日は、本の話でも映画の話でもない。テニススクールに通っている。少し背伸びをして、上のクラスに入れてもらったので、コーチの言う通りにはできない。でも、言われたことを実行しようとしている。それが人から学ぶということだから。でも、なかなか上手…

映画 ナミヤ雑貨店の奇跡

ずっと前に録画してHDDに入っていたのをようやく観れた。お店の常連の子供たちから寄せられた相談に、何十年ものあいだ答えていたご主人のもとに人生の岐路に立った大人たちからも、相談が寄せられるようになる。こうした相談に対する回答は、どちらともとれ…

映画 ロケットマン

ずっと愛が欲しかったんだな、と映画を観終わってまず感じた。愛って何かわからなかったから、探しもとめていたんだなって。ただ、ハグしてほしかっただけなのに。ただ自分のことを受け止めてもらいたかっただけなのに。エルトン・ジョンの歌は、学生時代、…

ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた。

この雑誌とは「マンハント」のことだ。1958年から1963年まで、アメリカの雑誌「manhunt」の日本語版として、ミステリーなどを紹介したA5サイズの雑誌だ。新刊で売られていた当時のことは、もちろん知らないのだが、ミステリー雑誌の草分けだという、この雑誌…

映画 ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド

タランティーノの最新作だ。舞台は1969年のハリウッド。知るはずはないのに、どこか懐かしい風景。自分の中の過去の断片的な記憶が編集し直されて、この時代の目撃者になったような気になる。差別的な言い方も出てくるが、それは、この時代に実際にあったも…