Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

3月のライオン

単行本はずっと読んでいる。10月からはTVアニメがNHKで始まるらしい。絵柄の可愛さに眼がいきがちだが、この漫画の主題である高校生のプロ棋士が成長していく物語に惹かれるところがある。対戦するプロ棋士たちのキャラクターもうまく描かれているし、将棋の…

ポエムに万歳

小田嶋隆のエッセイだ。ここで言うポエムは、詩とはちがって、独りよがりの夢を滔々と語る詩の形式をなぞった文章のことだ。ある種の広告コピーや自治体などの宣言風文章はこの仲間だ。歌詞の中にも存在するし、路上で色紙に書いて売っている文章やネットの…

容疑者Xの献身

東野圭吾氏の本を読んだのは初めてだった。TVドラマで福山雅治がやっていたガリレオと関連があるようなことは知っていた。天才物理学者が謎解きをするということはわかっていたので、主人公の湯浅学の声が福山雅治の声になった。ストーリーは、母と娘が暮ら…

インフェルノ

ダン・ブラウンの小説。映画公開を前に、読んでみた。「天国と地獄」「ダ・ヴィンチ・コード」も小説を読み、映画を観た。この作家はページ・ターナーで、先へ先へと読み進めたくなる。世界史などで知る幾つかの名所や美術品の名前が頻繁に登場し、その歴史…

高い窓

この小説を読むのは何度めだろう。チャンドラーの小説はどれも大好きで、大学生の頃はペーパーバックも読んだ。あまりにも台詞が素晴らしかったので、原作の英語ではなんと言っているのか知りたかったからだ。今回の村上春樹訳もとても良かった。登場人物そ…

映画 君の名は。

アニメ映画で劇場に足を運んだことがあるのはジブリだけだったけれど、この映画の評判があまりにもいいので行ってきた。面白かった。高校生の男の子と女の子が互いに入れ替わってしまう、というのは大林監督の転校生以来、いくつかの小説や漫画があったと思…

豆大福と珈琲

標題の作品は2014年に朝日新聞に連載されたものだ。その新聞は切り抜いて取ってあった。好きな作家の一人だが、どんなモチーフからでも小説を作り上げる力量に唸らされる。片岡さんと村上春樹の小説を電車や喫茶店で読んでいると自分でも文章を書きたくなる…

李陵・山月記

中島敦を読んだのはいつだっただろう。中学校か高校の時だ。話の中身は覚えていたが、今回再読してそのリズムの良さに驚いた。漢文の趣のある独特な、言い切り型の力強い文体だ。読んでいて気持よく、その語彙の豊かさに唸ってしまう。三代続いて漢学に関わ…

仮面劇場の殺人

あの、密室事件を得意とするディクスン・カーの作品の一つ。これまでに何冊か読んでいたけれど、この本は読んでいなかった。ハードカバーで350ページを超えるのに読ませる本で、探偵小説を貪るように読んでいた学生時代を思い出した。寂れかけた劇場の再出発…

ビビリ

あの人柄が口調を通して聞こえてくるような構成でとてもよかった。好きなことを真剣に極めてきたことと、天狗になった日のこともどん底に落とされた時のことも、今につながっている。どんな経験からも学びを得ている。ビビリだから、慎重になったというのだ…

映画 シン・ゴジラ

なるべく予備知識を持たずに映画館に足を運んだので、すべてが新鮮で面白かった。映画が始まって進行していくまで主役が誰なのかも知らなかったし、わりと我が家の近くに上陸することも知らなかった。それにIMAXで観る映像は凄かった。 最初に目にするコジラ…