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映画 シン・ゴジラ

なるべく予備知識を持たずに映画館に足を運んだので、すべてが新鮮で面白かった。映画が始まって進行していくまで主役が誰なのかも知らなかったし、わりと我が家の近くに上陸することも知らなかった。それにIMAXで観る映像は凄かった。
最初に目にするコジラは全然ゴジラではないが、そういうことかと提示されたゴジラの新しい解釈は面白い。前例のない出来事が起こると右往左往する官僚や政治家の様子は、最近の震災の時に垣間見えてくる日本政府の実態に近いのではないだろうか。そしてハリウッド映画の米軍のように、自衛隊が武器を使う描写は、史上初めてだろう。相手が謎の巨大生物とはいえ、緊張しながら観ていた。侵略してきた宇宙人に米軍が集中砲火を浴びせても、映像のスペクタクルさに興奮するだけだが、我が自衛隊が、全師団を挙げて一斉攻撃するのである。そして新幹線を、山手線をゴジラの足をすくうために使うのだ。建設機械を使うのだ。不死身のブルース・ウィルスはいない。都合よく空をかける自動車もない。まさに日本の戦い方だ。
会議室を埋めるおびただしい数の役人と一人ひとりに吸えられたマイク。会議室に運び込まれる大量の複写機。そして肩書や施設を指し示す巨大な文字のテロップ。庵野映画特有の映像が緊張感を生み出し、不安をかき立てる。
今まで観たことのないスタイルの映画に驚いた。ディテールに凝り、情報を詰め込んだ映画だとわかったので、何度も観に行く人の気持ちもよく分かる。
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