Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

職業としての小説家

村上春樹は、年上だけれども、同時代を生きている作家で、ずっと新作が出るたびに読み続けている作家の一人だ。はじめは新感覚の作家として、文壇という業界団体に属している小説とは別な作品を提示してくれた。広告がポップカルチャーの一側面を固めていた…

望遠ニッポン見聞記

この作者のテルマエロマエには心を奪われ、映画は2本とも観たし、原作マンガも堪能した。かつてイタリアの大家といえば塩野七生さんだったが、彼女は為政者・支配者の視点で世界を見るのに対して、ヤマザキマリさんは路地裏から文化的な違いを見いだす。それ…

偽りの楽園

チャイルド44に驚かされた、あのトム・ロブ・スミスの新作が出た。はじめは、これがあの三部作を書いた作家の新作なの?という思いながら読み進めたが、ついつい引き込まれ一気に読み終えた。途中、母親の独白が延々と続き、飽きてしまうかなと思ったが、い…

ふたつめのボールのようなことば。

シティボーイズの大好きな演目の一つに、「瓶蓋ジャム」というのがある。なぜかわからないが、ジャムの瓶の蓋の裏についたひとかたまりはとても美味しく感じる。なので、その瓶の蓋の裏についたジャムをこそいで、一瓶に集めたのが瓶蓋ジャムだから、これは…