Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

望遠ニッポン見聞記

この作者のテルマエロマエには心を奪われ、映画は2本とも観たし、原作マンガも堪能した。かつてイタリアの大家といえば塩野七生さんだったが、彼女は為政者・支配者の視点で世界を見るのに対して、ヤマザキマリさんは路地裏から文化的な違いを見いだす。それが面白い。日本を外国人の視点で見るといいよ、というのは特に写真をとろうとする時には効果的なアドバイスだが、なにしろ純粋培養の日本人では、いろんなことが「そうしいうものだろ」と日本固有の不思議さを見逃してしまうのだ。この本では、ヤマザキさんが感じた日本の不思議が取り上げられている。しかし、取り上げられた各事象よりも、それを描写する日本語に感心した。目にしたものを適切な言葉で記述するというのは作家的才能だと思うが、この人が描くマンガの緻密な描写は、この卓越した視点と表現力によって裏打ちされているのだと感じた。この人の書かれている本は何冊か出版されているので、ぜひ他の本も読んでみようと思う。