Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

たぶん、おそらく、きっとね

1967年当時のバンドマンの話だ。戦後から抜け出し、自由業ともいえるキャバレーのバンドマンたちの日常は、時代と言うよりも若さゆえの不安を内包している。そして大きく変化していくための伏線が日常の描写の中にある。それまでの人生を、大きく変えるきっ…

倒錯の舞踏

タイトルからすでにおどろおどろしい本である。だが、マット・スカダーのシリーズの中では、重要な一作ということで読んでみた。読後感は、スカッとさわやかとはいかないが、470ページにわたって、主人公とともに「卑しき街路」を歩いてきた後は、納得できる…

コインロッカー・ベイビーズ

読書会のために再読した。1984年の作品。村上龍は凄い。描写が視覚に訴えてくる。特にダチュラを見つけに海の中へ行くシーンのあたりは、スローモーションの映像を見ているようだった。映画化したくなるのはわかる。コインロッカーに棄てられた子供は、常に…

殺し屋

タイトル通り、依頼された殺人を生業とする男の話だ。短編連作を連ねながら、結局は長編になっているスタイルで、多彩な殺し方を読まされるのかと思いきや、殺し方のディテールなど描いていない場合もある。プロの殺し屋の生活をユーモラスに垣間見せるとい…