Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

永い言い訳

同時に流れていたはずの二人の時間が、妻の死によって一人の時間になる。過去の誤解やわだかまりも血液が流れるごとく、そのままで時とともに流れていったが、一人生き残った夫は自分が知らなかった妻の思いや言葉やその人となりの断片を、また聞きで手に入…

翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった

翻訳家にはいろんなタイプの人がいるが、大きく分けると大学の先生や研究者の人と、そうした経験は特に泣く翻訳をされている人がいる。金原さんは、前者のタイプの翻訳家。大学教主でありながら、たくさんの本を翻訳されている。それは先生の片手間仕事とい…

終わった人

平積みの本を手に取ると、冒頭の言葉に驚いた。「定年とは生前葬である。」その通りだと思った。それでわかった気になって、本台に戻したのだが、どうやら売れているらしいというので、Kindleで読んでみた。うーん。冒頭の言葉以外にも、「思い出と戦っても…

映画 ナイロビの蜂

録画で観た。本で読んだ方がいい作品だったのかなと思う。というのも、主人公が妻となった女性のことを誤解していたことに、妻が殺された後に気づく、という展開なのだが、映像で観衆をミスリードしようという意図が出すぎていて、「えっ、そうだったの!?」…

いきものがたり

いきものがかりのリーダー水野良樹さんが書いた、彼の眼からみたいきものががり。最近、NHKの番組で映画監督の西川美和さんと対談していたのを観て、彼の話し方や言葉が気になって、この本を手に取った。いきまものがかりというバンドは、最初はその名前に驚…