Life and Pages

本や映画、音楽について書いています

終わった人

平積みの本を手に取ると、冒頭の言葉に驚いた。「定年とは生前葬である。」その通りだと思った。それでわかった気になって、本台に戻したのだが、どうやら売れているらしいというので、Kindleで読んでみた。うーん。冒頭の言葉以外にも、「思い出と戦っても勝てない」とか、なるほどと思わせる言葉が時々出て来るし、そういうことあるかもな、という情景がいくつもある。でもなにか違うのだ。人物の造形が浅いというか、いい人ばかりで、人間くささがすっかり塩抜きされている。最後もハッピーエンドなのだろうが嘘くさい。今時の、文学書を読まない読者に合わせたのか、巷で流行っているらしいことを上手にとりこんで、軽く仕上げたのか。脚本家としての技量を発揮したのだと思う。でも、私には必要のない物語だった。

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