Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった

翻訳家にはいろんなタイプの人がいるが、大きく分けると大学の先生や研究者の人と、そうした経験は特に泣く翻訳をされている人がいる。金原さんは、前者のタイプの翻訳家。大学教主でありながら、たくさんの本を翻訳されている。それは先生の片手間仕事というのではなく、それだけ日常的に多くの原書を読まれているがゆえにできることなのだ。それだけではなく、間違いなく本の虫であり、それが知識となり日本語で表現する力にもなっている。翻訳家というのは大変な能力と努力が必要とされる仕事なのだと納得した。そして、翻訳という仕事は稼ぎが少ないのに、今も多くの人がなりたがっている職業であるのも事実だ。もちろん、誰もがなれる仕事ではないにもかかわらず。それだけ本には魅力があるということだろう。日本の人口に対して、読書好きな人はどんどん減っていると言われているが、案外読書人口の減少はゆっくりとしたカーブになるのではないだろうか(希望をこめて)。

翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった (ポプラ文庫)

翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった (ポプラ文庫)