Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

獣たちの墓

この前観た映画「誘拐の掟」の原作本で、ハードカバーだと430ページを越える長編だ。映画とは少し違っているが、この本の世界観は良くできていた。そして、この本も様々なサイドストーリーを巧妙に配し、キャラクターを上手に創りあげている。上手なストーリ…

映画 イミテーション・ゲーム

アラン・チューリングの名は、コンピューターの仕組みを考えた人としては知っていたが、こんなにも孤高の天才だったとは知らなかった。他の人とはまるで違う見方で世界を眺めていた。理解者は最初から少なかった上に、ほとんど唯一、愛する人を突然失ってし…

映画 バードマン

公開初日で日比谷シャンテの16:25の回は満員だった。なんとも不思議な読後感のある映画だった。虚と実を継ぎ目がわからないように接いであって、主観と客観も地続きだ。現実(と思える)映像と幻想(かもと思える)映像が互いの境界を無自覚に越える。観客は最後…

歌謡曲が聴こえる

1960年代は歌謡曲の黄金時代の一つではないかと想像する。その時期に、まず楽譜を眺め、気になった曲をレコード店で探し、時には同じ曲を違う歌手が歌うカバーを聴き比べてみる。その歌の中にある本質的なもの、ある歌手の特徴的なテクニックなどを堪能して…

言語小説集

某大学の英文科の学生は、英語が好きあるいは得意だけど英米文学や文化に興味がさほどないと、言語学の道に進み、修辞論や文法の研究をするそうである。で、この短編集は、言葉の言い間違いや音や方言、時代性などにとことんこだわって研究して書かれている…

殺しのリスト

短編集かと思いきや、短編としても成立しながら一冊の長編になっているという構成だ。上手な作家であることは言うまでもないが、プロのヒットマンが星占いや手相を気にして、仕事にも支障をきたし、女性に対する情にも溺れかける。人間くさいのだ。殺し屋業…