Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

殺しのリスト

短編集かと思いきや、短編としても成立しながら一冊の長編になっているという構成だ。上手な作家であることは言うまでもないが、プロのヒットマンが星占いや手相を気にして、仕事にも支障をきたし、女性に対する情にも溺れかける。人間くさいのだ。殺し屋業界の江分利満氏の日記なのか。職業がちょっと変わっているが、仕事を忠実にこなす男の日常にさまざまな事件が巻き起こる。ハードボイルドじゃないところもリアルに思えてくる。長く続くシリーズは、しっかりとしたキャラクターとその日常がしっかりできていて、どんな出来事も組み込めてしまうのだなあ。面白かった。

殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)

殺しのリスト (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)