Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2014-01-01から1年間の記事一覧

映画 誰よりも狙われた男

原作を英語で読む機会があり、映画化されたのを楽しみに観に行った。原作と比較すると、ストーリーに深みがなくて残念だった。原作を読まずに観に行っていたら、どうだっただろうか。うーん。まずドイツっぽくないのが、嫌だった。街中の看板を見れば、ドイ…

八百万の死にざま

ミステリーや探偵小説に惹かれるのはなぜだろうかと考えていた。この小説の主人公は、NY市警の元刑事で、誤って子供を死なせてしまったことがトラウマとなり、アル中になり警察も辞めてしまった。今は、探偵業の合間にAAの集会に通う。今回のヤマは、簡単で…

僕の好きなコロッケ。

一年に一冊出るのを楽しみにしている、糸井さんの言葉をまとめた本。言葉の熟成度がとても高くて、この本もきっと何度も何度も読み返すことになると思う。どれも、長い文章ではないのだけれど、これを「さすが、コピーライター!」とか言って片付けてしまうと…

三つの棺

ずいぶん昔に読んだことがあったのだが、すっかり筋を忘れていた。今回新訳になったけれど、「本格ミステリー」という筋立ては、遠い異国の時代感とともにある。密室殺人トリックを作家たちが競い合った時代、現代から見れば難点もあるが、アイデアや頓智比…

暴露

この本を読んで思ったことは、インターネットを使う限り、プライバシーなどどこにもないということだ。ただ、大物や有名人出ない限り、誰も他人のプライバシーなど気に留めないということだけだ。アメリカの大手インターネット関連企業はすべてNSAに協力的だ…

短編を七つ、書いた順

どの話にも共通しているのが、自分の脚で立って、自分の力で生きている登場人物だ。当たり前のことだろうか。自力で生きているから、自分を客観的に見ることができる。だから、相手のこともリスペクトすることができる。とりあえずの会話をしない。些細な事…

映画12Years a slave

長回しの多い愚直なカメラワーク。もちろん計算の上だろう。直視していられない痛みを何度も感じた。ほんの150年前まで、こうした現実があったのだ。肌の色で人間を差別し、殺人さえも平気でする時代のアメリカがあったのだ。そして思う。日本は肌の色も変わ…

映画ツナグ

死んだ人に会う時は、死んだ時の姿であってくれるのだなあと思った。それは生きている人間の側の想像力のせいだと思う。本当は死んだ人には、何かもっと相応しい状態というか形態というのかがあるような木もするが、こちら側にあわせてくれているのだと思う…

かないくん

帯のコピーによれば「谷川俊太郎が、一夜で綴り、松本大洋が、二年かけて描いた。」という。死について、考える時間をくれる、あるいは死について考えていた頃のことを思い出させる絵本だけれど、悲しさよりも、人が死ぬことによって、その人がいた場所が空…

私は写真機

最近は写真集を発表することも多い片岡さんの新刊。「曇った日をリアルだとすると、晴れた日は、それを外からとらえる自分の問題として、リアリティだった、と言ってみようか。リアルが現実そのものなら、リアリティとは、自分がとらえる現実、というものだ…

Nothing Is Impossible

クリストファーリーブが事故の後に書いた本だ。この本を買ったのは、いつだったろうか。外国の空港で買ったように思う。ずっと読まずにいたのでページが変色してしまったが、昨年の暮れから読み始めた。なぜだろう。歩けなくなった犬の介護の日々がはじまり…

映画永遠のゼロ

身近な人たちからの評判がとても高いので、新年最初の映画として昨日観に行ってきた。平日の朝で空いていると思っていたら、結構込んでいる。映画本編が始まる前に、二人の中学生くらいの男の子が左隣に座り、大きなバレルのポップコーンを食べ始めた。そし…