Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

三つの棺

ずいぶん昔に読んだことがあったのだが、すっかり筋を忘れていた。今回新訳になったけれど、「本格ミステリー」という筋立ては、遠い異国の時代感とともにある。密室殺人トリックを作家たちが競い合った時代、現代から見れば難点もあるが、アイデア頓智比べをする作家たちの作品は面白い。小学生の頃にはすっかりはまってしまった。
現代、再読する意味は何だろう。ストーリー展開と語り口の面白さだろう。それは、訳者の力量に負うところも大きいのかもしれない。小説の面白さを堪能するという意味では、じっくりと集中しないと先に進めない複雑な筋立てのこの作品を読んだのはとても楽しい時間だった。

三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

三つの棺〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)