Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

旅猫リポート

ふだんは手にしない作家だが、読書会の課題図書なので読んでみた。なかなかのページターナーで、あっという間に読み終えた。とてもよかった。主人公はやさしい青年で、ある事情があって飼い猫を友人に引き取ってもらうため、車に猫を乗せて会いに行く。その…

幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと

数多くの死を見つめてきた若い外科医が、死と向き合うことについて真摯に、素直に書いた本。医者は人間の死を、生と死の境をたくさん見てきている。なのに、医者が死について語ることはあまりないように思う。縁起でもない、と言われて封印されてしまうのだ…

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

私にとってグレイトフル・デッドとえば、リーダーだったジュリー・ガルシアが真っ先に思い浮かぶ。片岡義男の本を読んで、彼が本を書いているのを知り、すぐに読んだ。哲学的な内容で、示唆に富んでいたが、大地からエネルギーをもらうという言葉は当時は上…

映画 女王陛下のお気に入り

18世紀はじめ、アン王女時代のイギリス。王女は側近サラの意のままに操られていた。ある日、没落した貴族の娘アビゲイルが、いとこのサラを訪ねて王宮へ。彼女は下働きの職にありつく。辛い仕事からなんとか脱しようと、目先の利くアビゲイルは、王女の足の…

浮雲

林芙美子の昭和24年の作品。戦後まもない頃だ。ゆき子と富田の、戦中から戦後にかけての愛憎の物語。今読むと不思議な感覚になる。時代を反映しているのだろう。敗戦後の貧困の中での自暴自棄な感じと、妄想のような希望が、安酒の酔いの中で同居している。…

アメリカ流れ者

映画を観た後に、制作裏話などを聞くと、そうだったのかと驚き、再認識することがよくある。そして、その手の話を聞くなら、町山さんがいちばんだ。この本では、21本の映画が取り上げられていて、またしても、なるほどと感心した。 マイケル・ムーア監督の世…

映画 グリーンブック

アカデミー賞作品賞作品を公開初日に観てきた。ストーリーはシンプルで、登場人物の対比構造も明確、訴えたいこともはっきりしている。でも、表現がとても現代的で、声高にならないように主張し、映像はあくまでもきれいな色彩で、よく考えられた作りの映画…