Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

翻訳という仕事

昨年12月に亡くなられた小鷹信光氏が49歳の年に出版された本だ。ヒントになることがたくさん載っていて、ご自身は翻訳専業ではないから、というのだけれど、翻訳という仕事にとても愛情があったということが読み取れる。それにしても、出版業界の状況という…

映画 フルメタルジャケット

ずっと観たかったキューブリック監督の映画を録画でようやく観た。タイトルは軍用の銃弾の意味だと初めて知った。アメリカの若者たちが次々と坊主頭にされていくシーンから始まり、海兵隊訓練所の過酷な日々。そしてベトナムでの戦闘が描かれている。デブと…

漆黒の霧の中で

伊之助シリーズ2作目。順番通りに読まなかったけれど、これで3冊シリーズを読了した。伊之助が川から引き上げられた水死人を目撃したことから物語がはじまる。ついつい昔の癖で身体を改めると急所を一刺しされた殺人事件の被害者だとわかる。そして、同じ手…

もう過去はいらない

バック・シャッツの物語の続編。前回の事件から半年、88歳になり、前回脚を撃たれたために、妻と一緒に介護ケアの施設に入った。そこに、45年前の現役刑事時代から追いかけていた大泥棒が助けてくれとやって来る。すでにその設定もぶっ飛んでいるが、歩行器…

ささやく河

続けて伊之助のシリーズを読んだ。面白いのだ。今度の話は、島帰りの男が殺されるところから始まり、次第に20年前の押し込み強盗へとつながり、さらにその事件の陰にあった殺しが明らかになる。今回もハードボイルド小説の真髄が入っている。たった一人で、…

消えた女

主人公の伊之助は木版画の彫り師。だが、元は腕利きの岡っ引きだ。かつて岡っ引きの先輩だった弥八から、娘探しを頼まれる。彫り師の親方に睨まれながらも、夕刻には一人だけ仕事場をあとにし、弥八の娘およう探しに奔走する。伊之助はたった一人で聞き込み…