漆黒の霧の中で

伊之助シリーズ2作目。順番通りに読まなかったけれど、これで3冊シリーズを読了した。伊之助が川から引き上げられた水死人を目撃したことから物語がはじまる。ついつい昔の癖で身体を改めると急所を一刺しされた殺人事件の被害者だとわかる。そして、同じ手口の殺人が続けて起こり、いつものように巻き込まれていく。今回は読者には謎がずっと見えていなくて、最後に解き明かされる。謎解きの楽しみは少なめだったが、伊之助のキャラクターは今回も堪能した。捕り物の小説は積極的に読んで来なかったが、今後は読んでいくことにしよう。続編はないようなので、今後は藤沢周平の他の小説ややはり池波正太郎に向かうことになるかなあ。

漆黒の霧の中で―彫師伊之助捕物覚え (新潮文庫)