Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

2018-01-01から1年間の記事一覧

メモの魔力

話題の本を読んでみた。著者はとにかくファクトをメモとして記録し、それを抽象化(普遍化)して、他の分野に応用できないか、と考える。メモをとって終わりではなく、アイデアのきっかけにしていくまでの一連の思考をしようという提案だ。 メモを取る人は少な…

表現の技術

電通のCDの高崎さんの本だ。面識はないが、どんな仕事をしてきたかは知っている。題名の通り、CMなどの表現についての技術的な解説をしている本だが、CMを作ってきた方法で映画を構成する方法について書いているところはなかなか圧巻だ。実際、映画も撮って…

映画『アリー/スター誕生』

渋い歌声にいきなり映画に引き込まれる。この声、こんな感じの曲。老いたロックスターの雰囲気。これがなんと、アメリカン・スナイパーの俳優だとは。こんなに歌が上手いとは。ガガが登場する前に、すっかり映画に入り込んでしまった。 すっぴんのガガはシャ…

ほどけるとける

「戦友の恋」のB面という位置づけの小説。前回の主人公、佐紀にかわって美和が主人公になって、前回で語られた物語を別の視点から描いている。前作では語られなかった心情などがわかってくる。また、前作ですでに読者が知っていることを、今回の主人公は知ら…

3月のライオン14

待望の3月のライオンが本日発売。マンガは絵が苦手なものがあって、なんでも読むわけではないが、この作家の絵もストーリーも好きだ。主人公は17歳のプロ棋士で、三人姉妹の家族と仲良くなり、いろんな出来事を経て、家族のような関係が生まれた。そんな彼ら…

みっつめのボールのようなことば。

この本は、糸井さんのことばを拾って、一度出版された本の中から、いくつものことばを抜粋して作られた本だ。シティボーイズのコントに「びんぶたジャム」というものがあって、ジャムの瓶の裏についたジャムはなぜか余計に美味しい気がするので、その瓶の裏…

他人だったのに。

毎年一冊でる本で、これは12冊目。糸井さんがあちこちに書いた文章を、永田さんという人が集めて、並べて、並べ替えて、組んでみて、フォントなんかもあれこれやってみて、作った本。ことしも、いっぱいいい言葉に出会いました。年末のプレゼントですね、自…

戦友の恋

書評家の北上次郎氏に勧められて、読んでみた。女性ふたりの友情の話なのだが、冒頭から、一人の女性はすでにこの世にいないことがわかる。残された主人公が、思い出を語る「戦友の恋」という短編を含めて六編の連作だ。主人公はマンガの原作者であり、すで…

もつれ

ポーランドを舞台に検察官シャツキが活躍するシリーズの一冊。邦訳は三作目が先に出たが、シリーズとしてはこちらが一作目になる。私立探偵でも刑事でもなく、検察官が捜査に乗り出すという設定は、最近では定番の一つだ。 心理セラピー参加者が死体で発見さ…

10年後の仕事図鑑

AIが進化したおかげで、人間の仕事が奪われるという記事が昨年くらいからよく新聞や雑誌で見かけるようになった。この本でも、今後なくなる仕事について言及しているが、脅しではない。むしろ、びくびくしながら生きていく必要はないと言っている。お金より…

おいぼれハムレット

題名の通り、あのお話の頃を過ぎて、老いさらばえたハムレットの話、後日譚風なお話というから、こんなことをそもそも書ける人がいるのか、てなことを思いまするが、いややはり、橋本治の仕業でありました。と、いつのまにかこっちまで落語風になってしまう…

映画 ボヘミアンラプソディー

音楽を題材にした映画は、本当に外れない。俳優はみんな、クイーンのメンバーによく似ていた。でもそれだけじゃない。みんな本当に音楽が好きで、アイデアを出し合って、バンドとして成長してきたのだ。 フレディは、愛する人と自分の才能を開花させる土壌と…

出世する人の英語

この前、仕事で参加したセミナーで、地球温暖化対策のことが取り上げられていた。これからの企業は、どれだけそうした対策を考えているかが問われてくるという。そして、欧米の企業は、「こんな方向に向かって努力する」的な方針や方向性の表明だけで会社の…

仕事にしばられない生き方

ハリガネムシに寄生されたカマキリは、自分の意思とは関係なく、ハリガネムシの産卵場所の水中に飛び込まされてしまう。借金に追い詰められた、かつてのパートナーもそれと同じだったのではないかと分析する。この人の人生は波瀾万丈で、世界中で暮らしてき…

CD スナックJUJU〜夜のRequest

面白い企画だなと思ってCDを聴いた。JUJUがいろんな歌手の歌をカバーしたアルバムだ。 まちぶせ、桃色吐息、DESIREを聞いて、あーそうかと思った。これらの歌謡曲はファンタジー度が高いのだ。石川ひとみ、高橋真梨子、中森明菜、彼女たちが歌った世界は純度…

日本人のための日本語文法入門

翻訳の先生に教えてもらった本だ。日本語の文法を説明するのに、アスペクトという用語が使われている本は始めて読んだ。しかし、それは外国人に日本語の文法を教える際には普通に使われる用語であり、基本項目であるらしい。日本人が学校で学ぶ国語と、外国…

入門 ビットコインとブロックチェーン

勉強のために読んだのでメモ。 ビットコインは管理者がいない。利用者が直接ブロックチェーンに送信することによって、取引がなされている。 ビットコインは、2009年からほぼ10分ごとに発行されていて、およそ4年ごとに新規発行量が半減する。合計2100万ビッ…

東京ラブストーリー

最近、このドラマの再放送があり、久しぶりに観た。織田裕二と鈴木保奈美が出演する新ドラマがもうすぐ始まるから、ということらしい。1991年のドラマなのだが、当時テレビ放送があったときはリアルタイムで観ていなかった。後から、ビデオを借りてきて観た…

嫌われる勇気

話題の本を読んでみた。アドラー心理学の紹介を対話形式で展開していく。最初は、聞き手を話したい内容を説明するために、都合良く設定しているなあ、と思っていたが、読み進むにつれて、それはあまり気にならなくなってきた。そもそも、ソクラテスとプラト…

罪人のカルマ

ミステリー好きの間では話題になっていた作家で、この本はシリーズの6作目なのだが、はじめてこの作家の作品を読んだ。本編が650ページ以上もあるのにまさにページターナーというべき本で、先が気になって、どんどん読みたくなる。40年前の事件と現在の事件…

映画 プーと大人になった僕

「仕事があるから戻らなきゃ」「それは風船よりも大切?」そんな会話を予告編で観て、とにかくこの映画を観なきゃ!と思って観にいった。悪くない。ぬいぐるみのプーとユアン・マクレガーのやりとりはストーリーを展開させていく上で無理なく観られた。この辺は…

映画 カメラを止めるな!

話題の映画がついに地元にやってきたので行ってきた。なんとなく耳に入っていたコメントと一緒で、最初はなんだこれ、と思っていた。その後次第になるほどね、という気分になってくる。しかも低予算だと聞くと、たいしたものだと感心することしきり。この手…

遠雷

1980年の小説。たしか映画を観た覚えがあるが、小説を読むのははじめてだ。ある時代の日本の地方都市の生態をしっかりと切り取っていて、作家の力量を強く感じる。経済成長の波に飲み込まれて、代々続く農地を高値で売り払い、にわか成金になったいくつもの…

看る力

阿川佐和子さんが大塚宜雄という老齢者向けの病院の院長との対談。阿川さんは、いまも母上の介護を続けていて、その暮らしの中で感じたこと、学んだことを話しているが、前向きで明るいことが大切だと何よりも感じる。母上のことが本当に好きなのだと思うし…

映画 オーシャンズ8

あのオーシャンズ11の女性版だと聞いて観にいくことにした。予想通りの面白さというところ。もちろんストーリーもよくできていたし(刑事じゃなくて保険屋さんというのがキーになっているんだなあ)、女優さんたちも豪華。さらにテニスプレイヤーのマリア・シ…

映画 万引き家族

とてもいい映画だった。よくできた寓話だ。毎回言っているような気がするが、邦画はほとんど観ない。年に一回見観るくらい。ジブリか、どうしても気になったものだけだ。今回はカンヌ受賞作ということもあるが、ネットでのとんちんかんな批評があったりして…

フィリップ・マーロウの教える生き方

フィリップ・マーロウの出てくる小説はみんな読んでいる。何度も読んでいる。違う訳者でも読んだし、あまりに好きになって、ついついペーパーバックでも読んだことがある。ハードボイルドと言われる小説の魅力は、主人公である私立探偵のタフさとその行動に…

珈琲が呼ぶ

珈琲をテーマにした初めての、片岡義男のエッセイだ。彼の小説に珈琲は登場するが、それは珈琲をはさんで差し向かいになった人との会話のシーンとしてである。珈琲に関するエッセイは、これまでほとんどなかったというのは意外だ。若い頃は神保町の喫茶店で2…

ライフハック大全

時間の使い方や習慣の作り方などをまとめた本。以前はこの手の本をよく読んでいたのだが最近はまったく読まなかった。数日前にたまたま書店の店頭で見つけて手にした。生活習慣を変えるべき時が来たのかもしれない。 内容は小さな習慣250のアイデアが書いて…

ラブラバ

ハードボイルドタッチの展開と会話でとても愉しめた。マイアミビーチを舞台に強烈なキャラクターの登場人物たちがそれぞれ勝手に自分にとって都合のいい思惑を展開する。極悪人はいないのだが、自己中心的な連中ばかり。だからこそドラマがダイナミックに動…