Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

ラブラバ

ハードボイルドタッチの展開と会話でとても愉しめた。マイアミビーチを舞台に強烈なキャラクターの登場人物たちがそれぞれ勝手に自分にとって都合のいい思惑を展開する。極悪人はいないのだが、自己中心的な連中ばかり。だからこそドラマがダイナミックに動く。それぞれが思い描いていたシナリオが主人公ラブラバの登場によって、少しずつ変わっていき、物語の中盤から加速するストーリーがあっとおどろく結末を迎える。映画を見ているような読後感。フィルム・ノワール、そして40年代頃のハードボイルド映画へのオマージュか。とても好きな作品。