Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

映画『アリー/スター誕生』

渋い歌声にいきなり映画に引き込まれる。この声、こんな感じの曲。老いたロックスターの雰囲気。これがなんと、アメリカン・スナイパーの俳優だとは。こんなに歌が上手いとは。ガガが登場する前に、すっかり映画に入り込んでしまった。

すっぴんのガガはシャイな小娘に見えたし、自分の歌声の力を知る瞬間、少しずつ自身を深めて行く様子、それにともなってジャックとの関係性が変わっていく様子などがとてもよくわかった。最後に歌う歌は、深く心に染み渡った。シンプルな歌詞にあんなに思いが込められるものなんだと驚いた。2時間、一緒に旅をしてきた観客ではあるが、歌詞の一つ一つにいろんな思い出が刻み込まれていた。

ストーリーは観る前からわかっていたのに、こんなに心を揺すぶられるとは思わなかった。音楽映画は本当にいい。比べる意味などないのはわかっているけれど、私が感じたのは、ボヘミアン・ラプソディフレディ・マーキュリーの半生と彼が生み出した名曲の完璧なパッケージだったのに対し、このアリーは、大勢のスターの伝説や逸話を取り込み、俳優のいいところを生かし、一つ一つの曲にナラティヴを与えた映画、ということだ。どちらも本当に楽しめた映画だ。

wwws.warnerbros.co.jp