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嫌われる勇気

話題の本を読んでみた。アドラー心理学の紹介を対話形式で展開していく。最初は、聞き手を話したい内容を説明するために、都合良く設定しているなあ、と思っていたが、読み進むにつれて、それはあまり気にならなくなってきた。そもそも、ソクラテスプラトンの対話になぞらえて、構成しているのだとわかったからだ。
アドラーの名は、大学生の頃から知識として知ってはいたが、それ以上のものではなかった。今回読んでみて、よくわかった気がする。自分自身がいつも、人間関係を縦の関係としてしか考えられない人が多いよなあと感じていたし、自分はそうしたくないと思っていたので、とても共感できた。ただ、社会に貢献していると実感することはなかなか難しい。どこかの議員さんみたいに生産性が高いとか低いとかいうつもりはないが、「社会」というくくり方が難しい。社会貢献がビジネスの世界でも流行っている今となっては特に。
表紙のサブタイトルには自己啓発の源流と書いてあるが、世間で言う自己啓発とは反対に近いのではないだろうか。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え