Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

アメリカ流れ者

映画を観た後に、制作裏話などを聞くと、そうだったのかと驚き、再認識することがよくある。そして、その手の話を聞くなら、町山さんがいちばんだ。この本では、21本の映画が取り上げられていて、またしても、なるほどと感心した。

マイケル・ムーア監督の世界侵略のススメを取り上げた回では、アメリカ独特の考え方、「Exceptionalism」についての解説で、これは宗教的な考え方によるものだと知る。また、サブプライムローンが世界中で問題になった際、国家財政が破綻してしまったアイスランドが立ち直ったのは、閣僚を全員入れ替え、ギャンブル的な投資を行った連中を全員刑務所に入れたからだという。さらに。ポルトガルでは、覚醒剤マリファナの所有や使用を合法化しました。そのため、隠れる必要がなくなったので、薬物中毒者が病院に行くようになり、中毒者の数が減ったのだとか。その上、犯罪者にはならないために裁判や刑務所の費用がゼロになったとか。アメリカで大麻を合法化しようという動きには、その真似をして、裁判費用などを削減する目的があるらしい。

翻訳小説を読んでいる時もそうだが、ある程度、海外事情を知っていると、深い読み方が出来るようになる。こうした知識は、努力して学ぶほかないので、こうした楽しい勉強を続けなくちゃなと思う。

 

町山智浩の「アメリカ流れ者」

町山智浩の「アメリカ流れ者」