某大学の英文科の学生は、英語が好きあるいは得意だけど英米文学や文化に興味がさほどないと、言語学の道に進み、修辞論や文法の研究をするそうである。で、この短編集は、言葉の言い間違いや音や方言、時代性などにとことんこだわって研究して書かれているが、研究のための研究ではないから、読者を引き込み、唸らせる。学者と作家の違いなのであろうか。博覧強記かつ超おたく的態度から生み出されたエンターテイメントはすごい。凄すぎて、真似したいとはみんな思わないだろうな。孤高の高みをひょいひょいと先に行く作家の生き様をみた。
- 作者: 井上ひさし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/11/28
- メディア: 文庫
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