Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

インフェルノ

ダン・ブラウンの小説。映画公開を前に、読んでみた。「天国と地獄」「ダ・ヴィンチ・コード」も小説を読み、映画を観た。この作家はページ・ターナーで、先へ先へと読み進めたくなる。世界史などで知る幾つかの名所や美術品の名前が頻繁に登場し、その歴史的背景が語られる。キリスト教の知識がある西洋人にとってはもっと面白いのではないだろうか。この作品もダンテの神曲に描かれた世界、関連美術を中心にラングドン教授が美女と走り回る。図書館で借りたハードカバーは上下巻の二冊で、その下巻になって、ドラマは急展開する。敵と味方が途中で入れ替わり、そもそもの出発点から主人公が騙されていたことがわかる。そして、人類の人口が増えすぎたという地球的な規模の問題がストーリーの中心に添えられ、最先端の遺伝子工学が取り上げられ、インターネットのハッキングも盛り込んである。まさに現代を代表するストーリーテラーだ。来月封切りの映画で、この小説の世界をヴィジュアルに確認するのが愉しみだ。そうそう、小説を読んでいて、ラングトン教授の台詞がトム・ハンクスの声でしかイメージできなくなっているのは、いいことなのか、そうではないのか、難しいところだが。

インフェルノ(上) (角川文庫)

インフェルノ(上) (角川文庫)