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映画 君の名は。

アニメ映画で劇場に足を運んだことがあるのはジブリだけだったけれど、この映画の評判があまりにもいいので行ってきた。面白かった。高校生の男の子と女の子が互いに入れ替わってしまう、というのは大林監督の転校生以来、いくつかの小説や漫画があったと思う。この映画はそこに幾つかの要素が加わっている。時間軸つまりタイムトラベルであり、彗星や古代神道だ。そして秘境の中で神が祀られている場所は、日本的とはとても言えない景色。アニメならではの無理のないつなげ方だ。
オープニングそしてクライマックスの彗星が隕石となって宇宙空間から大気圏を通り抜けて地球に迫り、雲を貫いて日本の景色に降り注ぐシーンは素晴らしい。全般に作画がとてもよくて、退屈させないのはこの映像の技量が相当貢献していると思った。
ところどころに、アニメの漫画ならではの男の子と女の子のやりとりがあり、ちょっと苦手だなと思ったが短い時間なので我慢できた。でもここがアニメファンにはたまらないのだろうなと思った。しっかり考えて作られているのだ。
そして、なんで良かったなあって思ったのだろうと考えると、心の機微をうまく描いているからなのだと感じた。ありえないことが自分の身に起こり、それを一つ一つ自分なりに納得していくステップや、すぐそこにいる相手に対して、なかなか声を出して思いを伝えられない感じが、あーわかるなあと思わせてくれた。あー、でも今気がついた。これがアニメファンにとってはおなじみのハマリポイントなのかもしれない。そーかー。
スマホが大事な役割を果たすのだけれと、それは郵便受けとてがみに代替できる。そんなハリウッド映画があったよね。湖畔の家のポストで手紙をやり取りする作品が。そう、何が言いたいかというと、現代の話になっているけれど、普遍的な物語を観せてもらったんだなあという気がした。だから、いつもより広い層に受けたんじゃないだろうか。そう、だからこの映画、ハリウッドでリメイクされそうな気がする。
一番残念だったのは、タイトルだ。「君の名は。」はいいとして、Your name. というのがセットになっている。ストーリーのキーになっているのは、問いかけとしての「君の名は?」なのだ。Your nameは行為を指し示さない。英語なんかつけなきゃいいのに。それがとても残念だった。
君の名は。 - Wikipedia