Life and Pages

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泥棒は詩を口ずさむ

泥棒バーニーの活躍シリーズの一冊。ニューヨークで古本屋を営むバーニーのもう一つの仕事は泥棒。今回も稀覯本をある人物の家から盗みだしてくれれば高値で買うといわれて、見事に本を手にしたが、その本を現金と交換するためにでかけた先で一服盛られ、気が付くと女性の死体と右手に握らされた拳銃があった。警官がドアを叩いている。現場を逃げ出したバーニーは友人の家に身を寄せ、濡れ衣を着せた犯人を捕まえるべく捜査に乗り出した。すると事件は思わぬ方向へと動き出し、国際的な事件になっていった。
現場を逃げ出すときに寄った、事件現場の階上の家に事情を話して再訪するのは面白い。利害が一致すれば、互いに信頼できるのか。日本では考えにくい人間関係だ。
ローレンス・ブロックは相変わらずおもしろい。ミステリー好きであることはもちろん、本好きで、歴史好きで、調べもの好きなのだなあと感心する。とても楽しめた一冊。

泥棒は詩を口ずさむ

泥棒は詩を口ずさむ