すすめる人があって、この本を読む。柳瀬尚紀といえば、ユリシーズなどの翻訳を手がける翻訳の大家である。ここでは、持論を展開にするにあたって、世に出ている翻訳書の訳文を取り上げ、自分あればこう訳す、というか、このようにしか解釈できないはずだと説明してくれる。御節ごもっとも過ぎて、指をくわえて読む進めるしかないのだが、著者は誰かをけなしたいわけではなく、しっかりと原文に描かれている景色が見えているかと問う。そして、訳文が日本語としておかしくないかと問うているのだ。
そして翻訳は好きだからやる、という姿勢が大切なのだということがよくわかる。面白いことには違いない。もちろん、しっかりと読めていれば、ということだ。学び続けることだ。