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最強英語脳を作る

英語学習をすすめる本はたくさんあるが、この本は現代を生きる日本人にとって切実でとても納得できる内容だった。英語を学ぶことは英語の考え方(マインドセット)を学ぶことだという。ある種の世界の見方であり、価値観であり、行動様式などの複合体のイメージだ。このマインドセットという意味に置いて、グローバル化とはつまりアングロサクソン化なのだと断言している。そうなのだ! 日本の大学や企業がグローバル化を叫ぶとき、それは世界共通のある意味ニュートラルな世界をイメージしているが、実際は、かつて植民地を創りだしたアングロサクソン文化を身につけ、そうした国や企業の一員になることを意味する。非難しているわけではない、世界で成功した方法を学んで、同じグループに参加しようと言うことなのだ。そしてこれは、金儲けに限ってのことではない。世界を席巻した文化、いや茂木氏は文明だと言っているが、それを共通のマインドセットとして身につけようというのだ。そうでなくては何も始まらないから。だから翻訳シてから理解するのではなく、英語を聞いて英語で話すことが重要とも言う。
AIについての記述も面白い。AIは人間の行動を真似ているのだから、人間もやれ、というのだ。つまり、たくさんの英語を読み、たくさんの英語を書いて修正する。それが上達への道だと。また、科学論文の場合、英語で書けないことは日本語でも書かないという。定義の曖昧な言葉は、科学論文には必要ないということだ。