Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

翻訳教室

この本は翻訳家の鴻巣友希子さんが、自分が卒業した小学校で、翻訳教室を開催した時の話。小学生にどうやって翻訳体験をさせるのだろうと思っていたら、翻訳の本質を伝える個で、しっかりと小さな翻訳家が生まれていた。能動的に読むこと、と言う言葉で最後はまとめられているが、翻訳の本質をあらためて学んだように思う。直訳か意訳か、という問題も翻訳家の数だけ考えがあると思うが、ともかく単語を訳してつなげて、漢文の読み下し文のようにしても、それは翻訳ではないという例えはよくわかった。翻訳とは、一旦他人になった後に、自分に還るということ、という言い方もよくわかる。今、この時期に読んでよかった本。

翻訳教室―はじめの一歩 (ちくまプリマー新書)

翻訳教室―はじめの一歩 (ちくまプリマー新書)