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コンサート いきものがかり

横浜アリーナで行われた今年のツアーの最終日に行ってきた。3人がそろうのはこれで最後。とてもいい3人組だったなあと思う。会場は前後左右の席には座れないようになっていて、会場キャパシティの4割くらいの観客。入場前に、QRコードから名前と住所・氏名・メールアドレスを書かせてメールさせる。感染者が出たときの連絡先だろう。声を出すのは禁止。飲食も禁止。タオルを振るのも禁止。拍手での応援とリアクションだけが許されている。いきものがかりのファンはおとなしい人たちが多いようで、暴れる人もなく、無事に終了した。

久しぶりのコンサート。しかも、3階席のスタンドに座っているので、会場にいるのに静かに音楽を聴くことができ、いろんなことを考えながらとてもいい時間が過ごせた。いままで行っていたロックバンドのコンサートでは、全身に音楽を受け止めようと集中して没入していた。コンサートの後は疲れ果て、そのあとから余韻を味わうという感じだったが、今回は、会場にあふれる静かな熱気、照明の技術、バンドの演奏、歌、そして歌詞の意味などをリアルタイムで味わうことができた。前後左右に人がいないので、座席に座ったままでもステージがよく見えたし、視界の端には同じように歌に聴き入る人たちの姿がちらちらと見えていた。音楽のタイプやバンドにもよるだろうけれど、こういうコンサート鑑賞も悪くないと思えた。

メンバーの一人、山下くんが抜けるのだが、そのことについてしっかりと話し合ってきたことが、三人の言葉の端々に感じられる。昨年、自分たちだけの事務所を立ち上げたからこそ、自分たちの判断で、それぞれの将来についてしっかりと考えることができたのではないだろうか。コロナの影響ばかりではないだろうけれど、誰もが人生の意味やこれから先の時間の過ごし方をぐっと深く考えたのではないだろうか。

コンサートは3時間を超え、名残惜しいながらも、今できることは全て出し切った、そんな安堵感が見て取れた。一つの音楽グループの節目に立ち会い、幸せな夜だった。