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映画 復活の日

小松左京づいている。この映画は1980年公開。ウイルス兵器によって人類が滅亡するのだが、南極探検基地で任務に就いていた世界各国の約800人だけが生き残る。このウイルスは気温が0℃以下だと活動しないため、南極では活性化しなかったのだ。

2021年の今、この映画を観ているとどうしてもCOVID-19と重ね合わせてしまう。ワクチンができたために現代の我々は滅亡しないですみそうだが、パンデミックの恐怖を再現した映像はすさまじい。映画の中ではイタリア風邪と呼ばれているが、英語では「Italian Flu」だ。全大統領のカンフル−の声が蘇る。まったく腹が立つ。

生き残った隊員たちも、冷戦の遺産ともいえる軍事システムと狂った軍人のせいで、大半の人々が死んでしまう。最後まで人類は滅びてしまうようにしか見えないのだが、最後の最後で、復活のための希望を見いだす。

南極基地の人員だけが生き残ったとき、全員を集めてミーティングが開かれる。なんと女性は8人だけ。人類の存続という大きなテーマを突きつけられ、女性たちは複数の男たちと交配をすることを承諾させられる。これは難しい問題だ。

前日に観た日本沈没はかなりの低予算でやりくりをした映画だったが、この復活の日は、外国人の出演者も多く、世界各地でロケしており、世界忠に通用するのではないかと思わせる。日本人俳優も主役の草刈正雄以外の人も英語を話し、堂々たるものだ。ハリウッドではなく、日本で制作したからこそだろう。1980年前後の日本経済と角川春樹の手腕は凄いものだとあらためて思った。