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翻訳問答2

翻訳家の鴻巣友希子さんと5人の作家が、英語の小説の一節を日本語に互いに翻訳して、語り合うという企画。前作では鴻巣さんが片岡義男さんと対談していて、とても面白かった。今回は、翻訳も行う作家の方がお相手なのだが、当然のことながら、それぞれが自分の文体を持っていて、翻訳にも文体がしっかりと反映されている、ということが興味深かった。英語を読むというインプットの過程は英語力が同じなら、一緒で、日本語に翻訳するというアウトプットの過程に個性がでる、と考えていたが。それだけではないようだ。インプットとは、自分の頭の中で、どのようにビジュアライズするかであり、それはその作家の個性(文体)による世界観なのだから、すでに読み取る時点で個性が表れている。もちろん、誤訳などではなく、元の英語から物語を読み取る際に、どこまでディテールを読み取るかということだ。型が決まっている、ということでもある。翻訳家に対して歯もちろん、作家という才能にも改めて敬意を表したくなる一冊だった。

翻訳問答2 創作のヒミツ

翻訳問答2 創作のヒミツ