Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

火星の人

火星探査に行ったNASAの宇宙飛行士が、嵐に遭って退却する際、一人が負傷し、消息不明となったためやむなく彼を火星において帰還する。だが、取り残された彼は生きていた。そして科学者の知識と柔軟な発想で生き延び、救出の日を待つ。だが、それは、4年先のことだ…。というストーリーのSF。先に映画オデッセイを観たが面白かった。ジャーナル形式で語られる物語だったので、本で読めばさらに面白いに違いないと考えて読み始めた。映画では語りきれないエピソードが多く、本を読んだのは正解だった。しかし、文章だけではわかりにくい機器の説明や化学実験の様子などは、映画を観なかったら想像もつかなかったと思う。映画と本の両方をあわせて楽しむのが一番良かったのかもしれない。アカデミー賞では何も受賞できなかったが、火星でサバイバルする人間の演技や火星基地の様子が、大仰でなく、あまりにもナチュラルだったからかもしれない。
この本は、たった一人の住人がいなくなった実家に向かう時に買った。心静かに読むにはとてもいい本だった。

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)

火星の人〔新版〕(下) (ハヤカワ文庫SF)