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ナルト

ようやく全72巻を読み終える。スケールの大きい物語だった。結論は垣間見えていたから、最終回はそれほど驚きはない。途中でなんども、よくぞここまで引っ張ったな、と感じる回があった。それでも、最後まで読み通し、なんだか達成感を感じる。久しぶりにこんなに長いマンガを一気に読んだ。連載中は人気マンガを終わらせないために、ただ引き延ばすのではなく、どんどん物語を長く大きくしていったのだろうと思うと漫画家は、そして担当の編集者はすごいと感心する。

忍者が外国人に人気だという。そして外国人に有名な忍者は「NARUTO」だというので、アマゾンの古書でコミック72巻を一気に買ったのだった。ほぼ一ヵ月かかって読み終えた。最初は忍者修行の話が中心だったが、超能力者の闘いになり、化身の獣うしの闘いになり、死者が“黄泉帰り”、巻が進むにつれ、忍者らしさはほぼなくなっていく。主人公は大勢の師匠と友人に支えられ、人を信じることを学び、成長していく。現在の自分につながる忍者の歴史については、蘇った祖先との直接対話によって学んでいく。成長譚と友情、人間に対する信頼の超大作で15年間連載していたという。作者はこれほどの構想をマンガを連載しながら作り上げていったのだと思う。最初はここまで考えていなかったはずだ。それでも、話のつじつまをあわせながら、展開していく力はすばらしい。

人気だった理由はよくわかる。ポジティブな主人公。それに立ち向かう極悪人がつぎつぎと現れる。巨悪の組織もでてくる。相手は強い。絶体絶命に何度も追い込まれる。仲間が死に、仲間が裏切る。綿々とつながる歴史。そして、死者との対話。かつてウラトラマンのドラマに、兄弟や親まで登場し、物語は大きく方向転換をした。まるでその再現のように、かっての共同体のリーダーたちがそろい踏みで蘇り、主人公を助ける。わくわくしないわけがない演出だ。物語を作るときの参考になりそうだ。

NARUTO-ナルト-  コミック 全72巻完結セット (ジャンプコミックス)

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