Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

メタモルフォーゼの縁側

ひとりの高齢の女性がたまたま本屋で手に取った漫画が好きになり、どんどん続編を読みたくなっていく。本屋でレジをしていた、アルバイトの女子高生が、それを見て、おやっと思う。自分は、その漫画、BL漫画が好きなのだが、なんとなく後ろめたくてそのことを友だちにも言えないでいるからだ。

高齢の女性は、偏見など全くなく、純粋な恋人たちの話とその漫画を楽しんでいる。その姿を見て、女子高生は自分のことも肯定されたように思い、一緒に行動するようになっていく。やがて、コミケにも一緒に行くようになるのだが。

話し相手のいなかった女子高生とその女性。同じようなところもあるが、少し違う。彼女たちの周りの目、こころの中に波立つ感情。小さなことだけれど、人間の気持ちの移り変わっていく感じをしっかりと表現できている。素晴らしいと思った。