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職業は忍者

東京の山奥に移り住んで、忍者を生業にしようとしている人の話。脱サラして、もともと興味のあった武道の集大成として忍者の道を選んだ、ユニークな経歴。小田原は風魔と呼ばれる忍者一族が北条五代に仕えたと言われているが、真相は不明。なにしろ忍者が、自分たちが忍者である証を残すはずはないのだから。その風魔忍者の後継として、生き方や技術を伝えようとしている。忍者ショーなどではなく、あくまで生き方や考え方を伝えることが中心だという。その点はとても共感できる。

この本では、現代にも忍者的考え方が有効だと言っているが、情報収集とか人心掌握術とか、その通りなのだが、当たり前かなとも思う。著者の甚川さんは実際にお会いしたことがあるが、ユニークな人だ。彼の半生を知るにはいい本だったが、忍者としての哲学を現代に生かすための記載は食い足りない。これからの研究課題なのだろう。もちろん、それは素晴らしいことだが。

職業は忍者: 激動の現代を生き抜く術、日本にあり!

職業は忍者: 激動の現代を生き抜く術、日本にあり!