Life and Pages

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映画 ちはやふる

3部作を一気に観た。少女漫画が原作で、主人公の女の子が、その幼なじみの男友だち二人と一緒に競技カルタを遊びながら学び、途中で一人の男の子が引っ越ししてしまい、ばらばらになってしまう。それぞれが高校に入り、高校カルタ部として日本一を目指す話だ。主人公役の広瀬すずは、実際に自分の高校三年間にこの三部作を撮ったらしい。去年、百人一首の英訳本を読んで、面白くていろいろと調べていたら、この映画に突き当たり、WOWOWで放送したのを録画していて、ようやくまとめて観たところだ。

競技カルタとはどういうものか、なんとなくわかったし、千年前の和歌が現代にも息づいていることを教えてもらってなかなか楽しかった。第二作「下の句」の中で、「迷ったときはどうしたらいいのか」ということを男の子がもう一人の男の子に問いかけ、それには「楽しかったときのことを思い出せ」と言われる。その子も師匠に教えてもらったのだけれど。三人は、それぞれ壁にぶち当たったときに、無心にカルタを楽しんでいた幼い日のことを思い出す。なんだかそのシーンが胸に刺さった。それで私にとって、それはどんなシーンだろうかと考えた。

それは中学校の野球部にいた頃だなと思った。私は中学校から野球を始めたから、レギュラーになれないと思っていたけど、野球をするのが楽しくて毎朝始業前に校庭で野球をやり、昼休みに野球をやり、夕方は部活で野球をやり、土日はみんなで集まって野球をしていた。あとでレギュラーにはなれたのだが、それよりも野球をする自体が本当に楽しかったなあと思い出した。大人になると、映画の中の高校三年生よりも少しは余分にいろいろなことを抱えてしまって、それほど純粋にはなれないのだが、今日はなんだか、ちよっと救われたような気がした。たぶんいいタイミングで観たからだろう。

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