Life and Pages

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Boy From Woods

以前読んだハーラン・コーベン著の「Run Away」の続編。NYの辣腕弁護士へスター・クリムスタインが活躍するシリーズだ。

最初のシーンは1986年4月、ニュージャージー州の森の中から6~8歳の少年が発見された新聞記事から始まる。そして舞台は2020年の4月、34年後に飛ぶ。一人の少女が学校でいじめを受けている。来る日も、来る日も。少女はある日、消える。同級生のマシューは、祖母のへスターに相談する。ただごとではないと予感したからだ。しかし、それはいじめられていた女の子ナオミの狂言だった。

そして再び、ナオミは忽然と消える。同級生で、いじめっ子だったクラッシュも姿を消す。へスターとも親しい、34年前に森の中で発見されたワイルドが捜索に乗り出すことになる。彼は軍隊に属していたこともあり、今も森の中で一人で暮らしていて、二人の潜伏先だと思われる森に詳しいからだ。へスターは息子を交通事故で亡くしてから近寄らなかった、以前、家族とともに住んでいた家で、今はマシューが暮らす家に出向くことになる。思い出したくなかった息子の死と向き合う、新たな真実を知る。

クラッシュの両親はまったく別の件で脅迫されていたが、それと息子の家出は別のことだと考えていたが、ある日、森の中で、息子の切断された指を見つけると、息子は誘拐されたのだと気がつく。ナオミの失踪、脅迫事件、へスターの息子の交通事故の真実、事件の全貌が明らかになったとき、ワイルドは決断する・・・。

章を追うごとに、謎が深まり、新たな出来事が加わって、登場人物の素性が浮き彫りになる。最後のページまで、予想を裏切る展開が続く、ページターナーの一作。ギャングも出てくるが、大量殺戮はないし、脅迫も取引もパソコンとハイテクを使う、2020年の物語になっている。私はいじめの描写を読むのがつらかったが、あとは一気に楽しめた。

 

The Boy from the Woods

The Boy from the Woods