Life and Pages

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閑話休題 岸谷香感謝祭コンサート

コロナ禍ではあるが、前にチケットを買っていたので細心の注意を払ってコンサートに行ってきた。マスクを二重にして、声を出さないようにして。観客はプリプリ以来のファンとおぼしきおばさまたちが多く、おとなしいがなかなかに盛り上がる。ゲストはトライセラトプス和田唱スターダストレビュー根本要岸谷香は、アンロックザガールズという女性バンドともに登場。3組のアーチストの歌声、そして久しぶりの生演奏の音楽を楽しんだ。

途中ゲストで登場した根本が、岸谷香のキーボード演奏に合わせて「木蘭の涙」をいきなり歌い出す。「逢いたくて 逢いたくて」と先だった最愛の人に向けた歌が胸を打つ。私は不意を突かれ、父のこと、母のこと、もういない人のことをいろいろと思い出し、目が潤んでしまった。音楽のジャンルを飛び越えて、歌の力を実感する。凄かった。すさまじい力。

帰り道に、以前見たエリッククラプトンの武道館でのコンサートを見たときの記憶が蘇る。彼が息子を事故で亡くしてからまもない時期に、ジョージ・ハリスンとともにツアーをしていたときのことだ。ティアーズ・イン・ヘブンを歌ったとき、彼の頭上から柔らかい光がでて、それが天国へつながっていると感じた。あのときの歌と演奏は、今もはっきり映像として覚えている。

先日、ビートルズゲットバックの劇場版を観に行った。バンドで音を合わせることの楽しさ、音楽の楽しさを再認識させてくれた。人に会うことが減った今、人間の声に、歌の力に魅了される。