創作についての本はたくさんあって、何冊も出ているのだが、このタイトルに惹かれて読んでみた。作家志望の人からの質問に答えていく、という形式で書かれているのだが、実際に講演会場などで質問されそうな、どうでもいい(と思える)質問にもしっかりと答えている。例えば、帯にはこんな質問が書かれている。「作家になるのに適したタイプの人はいますか?」「スランプから抜け出すにはどうしたらいいですか?」「小説を書くのに必要な経験は何ですか?」「作家はどこからアイデアを見つけるのですか?」「キャラクターはどのように創ったらいいですか?」いやいや、まずは書かなくては。私ですらそう思う。いやいや、そう思わせるための戦略だったのか!
その答え方や具体例の挙げ方など、真摯な姿勢がよく伝わってくる。山本弘さんの本を読んだことはなかったのだが、書くことを楽しんでいることがよくわかるし、これぞ作家なのだと感じた。本をたくさん読んで、まずは書けよ、ということだ。