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犬がとなりにいるだけで

セラピードッグという存在によって、長年沈み込んでいた人が明るくなったり、寝たきりだった老人に笑顔が戻ったりすると聞いたことがあった。この漫画はあるセラピードッグの一生とそのパートナーとなった青年の日々を描いている。フィクションなのかもしれないが、そういうことって確かにあるなあと思うことばかり。犬を飼っている人、犬と長く付き合っている人はよくわかると思う。

人間の主人公の太郎は、介護施設でセラピードッグを扱うドッグハンドラーだ。あるとき野良犬が紛れ込む。どこを探しても見当たらないのだが、翌朝、ある老人のベッドの中にいるところが見つかった。ずっとその老人の手をなめていたようだ。その老人はずっと寝たきりで何の反応もなく、その施設にいるセラピードッグが何をやっても反応しなかったのだが、その野良が手をなめ続けていたせいで、穏やかな表情になっていた。

野良犬は背中の大きな丸い模様にちなんで、ぼたもちと名付けられて施設で面倒を見ることになり、太郎とコンビを組んでセラピー犬として一生を過ごす。

犬と人間は不思議な関係だ。ペットと飼い主とかではなく、互いに助け合って生きてきたのだと思う。優しい気持ちになれた。

犬がとなりにいるだけで

犬がとなりにいるだけで