タイトルを読んで惹きつけられた。女性の著者は、何歳までが女子なのかと論考するのである。なんだかおかしいよなと思うことが世の中にはたくさんあるが、著者はさまざまな事象を明解に分析してくれるのだ。とにかく文章がうまい。あいまいな言葉で表現されていることを的確な言語で因数分解していく能力と読ませる組み立てに感心した。この前読んだ武田花の随筆は日本の作家の一人としての教養がにじみ出る文章だったが、このジェーン・スーの本は実際に起こっている事象に的確にネーミングするマーケティング的能力と話芸のように文章をエンターテインメントとして書ける話文一緒文体の名手である。読んでいて楽しいだけでなく、自分で考えている様々なことを少し先に進めてくれる効果もある。橋本治の本を読んでいるときの楽しさに近い。
- 作者: ジェーン・スー
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/04/12
- メディア: 文庫
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