Life and Pages

本や映画、音楽、日々の雑感

紙の動物園

ケン・リュウという中国系アメリカ人の短編集。SFのジャンルになっていて、早川から出ている。とても評判が良かったので読んでみたがなるほど面白い。表題作もとてもいい話でSF的ではないが、他のSF色の強い作品も、ファンタジー的な作品も面白い。最新科学についての知識はさすがSF作家だが、それだけでなく中国のことはもちろん、日本のこと、台湾のこと、漢字やアジア史についての造詣の深さはたいしたものだ。そうした材料をもとに紡ぎ上げる作品は本当に面白い。SFというジャンルは懐が広いのだなあと再認識した。とても柔軟な想像力に出会えた。